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平成21年10月予算特別委員会(平成21年度)-10月05日-01号

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  1. 栃木県議会 2009-10-05
    平成21年10月予算特別委員会(平成21年度)-10月05日-01号


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    平成21年10月予算特別委員会(平成21年度)-10月05日-01号平成21年10月予算特別委員会(平成21年度)      予算特別委員会会議録 1 開会日時  平成21年10月5日(月)午前10時00分~午後3時28分 2 場所  議事堂大会議室 3 委員氏名   委員長    渡 辺   渡   副委員長   斉 藤 具 秀   副委員長   渡 辺 直 治   委  員   保 母 欽一郎          金 子   裕          佐 藤   良          山 形 修 治          松 井 正 一          阿 部 寿 一          山 口 恒 夫          岩 崎   信          櫛 淵 忠 男          小 林 幹 夫
             星   一 男          中 川 幹 雄          花 塚 隆 志          早 川 尚 秀          増 渕 三津男          山 田 美也子          島 田 文 男          螺 良 昭 人          野 田 尚 吾          髙 橋 文 吉          梶   克 之          増 渕 賢 一 4 栃木県議会委員会条例第18条に基づき出席を求めた者の職氏名    知事             福 田 富 一    副知事            須 藤 揮一郎    副知事            麻 生 利 正    総合政策部長         高 橋 正 英    経営管理部長         鈴 木 誠 一    県民生活部長         荒 川   勉    環境森林部長         三 浦 義 和    保健福祉部長         北 澤   潤    産業労働観光部長       野 口   明    農政部長           高 斎 吉 明    県土整備部長         池 田   猛    会計管理者会計局長      小 暮 義 雄    企業局長           栗 山 正 道    総合政策部次長総合政策課長 村 上 順 男    財政課長           後 藤 友 宏    教育長            須 藤   稔    代表監査委員         田 崎 昌 芳    人事委員会事務局長      我 妻 貞 雄    労働委員会事務局長      湯 沢 敏 次    警察本部長          石 川 正一郎 5 会議に付した事件 (1)付託議案等に関する総括質疑           ────────────────────                午前10時00分開会 ○渡辺渡 委員長 ただいまから予算特別委員会を開会をいたします。  予算特別委員会の開会に当たり、一言ごあいさつを申し上げます。  昨年秋以降の急激な景気の後退は、ようやく持ち直しの動きが出てきたとの観測もございますが、本県の経済・雇用状況は依然として厳しく、8月の有効求人倍率は0.35倍で、過去最低でありました7月を0.01ポイント上回ったものの、極めて深刻な状況にございます。  こうした中、このたびの定例会では、過去最大となる761億円余の補正予算案が知事から提出をされましたが、この中にはさきの6月補正予算に引き続き、国の経済危機対策に積極的に呼応した729億円余の経済・雇用対策が盛り込まれ、県民を取り巻く経済・雇用環境に大きくかかわる内容となっております。  委員各位には、慎重かつ熱心な審議をお願いするとともに、委員会の審議を経ることにより、補正予算等が県民の負託に十分こたえられるものとなるよう念願するものでございます。  最後に、委員会の運営に当たりまして、委員の皆様を初め、執行部並びに報道関係各位の特段のご支援とご協力をお願いを申し上げて、ごあいさつとさせていただきます。 ○渡辺渡 委員長 会議録署名委員に、山口恒夫委員と岩崎信委員を指名をいたします。  ご了承を願います。  それでは、これより議事に入ります。  本委員会に付託されております、第1号議案から第9号議案まで、第12号議案から第14号議案まで、第16号議案及び第20号議案を一括して議題とし、質疑並びに喫緊の県政課題についての質問を行います。  発言通告者に対し、発言を許します。  梶克之委員。 ◆梶克之 委員 おはようございます。  本県の将来ビジョンについて、お伺いいたします。  本県の財政状況、今委員長から話がございましたように、財政調整的基金がほぼ枯渇するなど、大変極めて厳しい状況下にございます。県政の健全化は、早急に取り組まなければならない喫緊の課題でもございます。このため、「とちぎ未来開拓プログラム(試案)」が去る5月に示されまして、これまでに県民や各団体、あるいは市町村からさまざまな要望等が示されてきております。また、二元代表制の一翼を担う県議会におきましても、県行財政改革検討会を設置いたしまして、このプログラムの試案に対しまして、県民の視点に立った検討を重ねてまいりました。責任ある政策提言に向けまして、現在検討作業は最終段階に入ってきております。  このプログラムの試案に関しましては、国の予算編成、あるいは地方財政対策の動向、そういうものが大変不透明だということで、先延ばしにした方がいいのではないか、そういった意見もあるわけでございますが、私は、この財政の健全化、これをおくらせるということになりますと、さらに大きな県民負担を招く、そういう状況にもなりかねないと思いますので、できる限り速やかに、財政健全化に向けた取り組みに着手をし、財政運営の自律化を図るべきだと思っているわけであります。  そこで、本プログラムの試案によれば、集中改革期間内における収支の均衡をなし遂げるために、県民にも我慢を願う内容も含まれている、そういうことでございますが、私はこのプログラムの成否を握る鍵、それはまさに県民との価値観の共有にあるのだろうと思っておりますので、本県の将来のビジョン、こういうものを知事が示す必要があるのではないかと考えております。  また、今定例会には、729億円の基金の創設を初め、過去最大の規模となります761億円に上る補正予算案が提出をされているわけであります。  そしてまた、現在の総合計画であります「とちぎ元気プラン」、これが平成22年度には計画の期限が終了する。そして、今現在次の総合計画の検討に着手をしている、そういう段階にあるわけでございます。  そこで、私は、この「とちぎ未来開拓プログラム」を策定しようとするならば、知事がみずから栃木県の将来ビジョン、言いかえるのならば理想とする栃木県というのはどういうものなのか、これをはっきり県民に示す必要があるのではないかと思っております。  そして、そのビジョンを具現化するロードマップとして総合計画をつくる、そしてその基盤づくりとしてプログラムが実行されるべきだろうと思います。そこで、まず知事の所見をお伺いしたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 少子高齢化や経済のグローバル化、高度情報化の一層の進展や地球環境問題の深刻化など、社会経済情勢は大きく変化をしてきております。  また、景気の先行きが不透明なことに加え、さまざまな格差の拡大などから、県民が抱く閉塞感や将来に対する不安感は増幅しております。  このような状況の中、時代の潮流を的確にとらえ、将来をしっかりと見据え、県政運営を行っていくことが極めて重要であります。  現在、10月中を目途に「とちぎ未来開拓プログラム」の策定作業を進めておりますが、その成案化に当たりましては、県政運営の土台となる財政基盤の立て直しを図るとともに、医療・福祉を初めとした安全・安心の確保などの行政課題や、新たな行政ニーズにも的確に対応し、「安心して暮らせ、人や環境に優しく元気な“とちぎ”」の実現を目指してまいりたいと考えております。  また、今年度から県政の基本指針であります次期総合計画の策定に着手したところでありますが、今後具体的な策定に当たりましては、県議会を初め、県民の皆様から幅広くご意見をいただきますとともに、未来開拓プログラムの考え方を引き継ぎ、生かしながら、200万県民の皆様とともに目指すべき本県の将来像をしっかりとお示しをし、政策の実現を図ってまいりたいと考えております。  そして、厳しい時代にありましても、県民のだれもが夢と誇りを持ち、地域が真に輝く栃木を目指してまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 梶委員。 ◆梶克之 委員 今定例会には、さまざまな国の基金事業による補正予算が出されているわけでございます。私は、国庫支出金、今の基金の前倒しですね、言うなれば補助金と同じようなものでございますが、これを積極的に導入するということに対して異議があるわけではございませんが、それはあくまでも本県の自主性を重んじる、そうした上で事業を執行するということが筋だろうと思うのですね。  ところが、補助金を獲得するということは、そのことを通して事業の優先順位、あるいは公共へのサービスのあり方について、ある意味では国の意思に従属をすると、そういう形になりはしないかという心配をいたしております。県の自主性が低下をするということになれば、裁量の幅を縮小するということになりますし、公共サービスの低下にもつながる、あるいは県費支出の総額から見るならば、私は県民益の最大化にはつながっていかないのではないか、そういう感じがしてしようがないのですね。  特に今の未来開拓プログラム、あるいは基金の前倒し、そういうものを考えてまいりますと、私はまさに総務省なり、あるいは財務省の指示と言いましょうか、そういうものがあってこれをつくったのではないかという気がするのですね。そういうものを考えてまいりますと、私は国の誘導というもの、そういうものに幻惑をされるようならば、私は住民のニーズにはそぐわない事業の選択や、あるいは実施方法について、国の言いなりになるようなことがあるならば、あるいは財源の浪費につながるのではないか、私はそういう心配をするわけでございます。そういう意味で、私は知事がしっかりしたビジョンを示す必要があるのではないかと思うわけです。「夢と誇りを持てるような栃木県」と、今知事の発言がございましたが、私はこれから選択と集中をするその判断基準とするためにももっとはっきりした知事の考え方というものが必要ではないかと思います。  こうして地方が財政的に非常に苦労している、このことは、まさに国の三位一体の改革の失敗であると、私はそのように思っております。国は、残念ながらもう地方のことは頭にないのだろう、もう国のことだけ、まずそう思えてならないのです。  そこで、知事は、さきの本会議において、螺良議員、あるいは板橋議員の質問に対して、国と地方との協議の場、これを早急に求める、そういう場で積極的に発言をしてまいりますと、そのようなご答弁がございました。それだけでは地方の意見あるいは声を国に伝えることはできないのではないかと、私はそのように思うのですね。今、どこの自治体も苦労しております。私は、この三位一体の改革、この失敗を是正していかなければならない、そのためにはまさに地方6団体の意見というのは非常に大事になってくるのだろうと思っております。その中でも、とりわけ全国知事会、この果たすべき役割というのは非常に大きいのだろうと思っております。  私は、地方が経費の節減を図って財源を確保する、これにはもう限界があるのだろうと思うのですね。まさに、地方分権改革、これをいかに進めるかにかかっている、そのように思えてなりません。そこで、全国知事会において、知事が地方分権の強力な推進、そういうものを旗印にして、国に対して強力に地方の声を伝える、発信をする必要があるだろうと思いますので、その辺の知事の意気込みについてお伺いをしておきたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 国と地方の協議の場を早期に設置して、法律に基づいて設置していくべきであるということを何度も申し上げてまいりました。国と地方が対等な立場で政策決定に向けた協議を進めるというものでありまして、国と地方の新たな対等協力関係の構築につながるものであると考えております。  協議の場の設置に向けては、地方の意見の尊重義務を法律に書き込むなど、三位一体の轍を踏むことなく、地方の意見が十分に反映される仕組みとしていく必要があると考えております。  今後につきましては、国に対しまして協議の場の早期設置を求めてまいりますとともに、全国知事会を通じて本県の意見もしっかりと主張をしながら地方の総意形成に努め、地方分権改革の推進に向けて、国に働きかけてまいりたいと考えております。  こうしている矢先に、先週末には、はっきり確定したのかどうかわかりませんが、財政当局からインフルエンザのワクチンの接種については国が半分、県が4分の1、市町村が4分の1と、こういう方針が一方的に示されたそうであります。全く協議もする場もなく、こういったことが行われてしまうということについては、政権の掲げる目標と具現化をする過程がそごを来しているのではないかと、いささか心配をしているところでもあります。 ○渡辺渡 委員長 梶委員。 ◆梶克之 委員 ぜひ、知事会の席で声を大きく、地方の声を伝えていただきたい。特にお願い申し上げておきたいと思います。  そこで、大変くどいのですが、私はもう一度知事のビジョンに関して話をしてみたいと思います。  今ございましたように、基金の創設、または積み増しですね。それらの事業は平成23年までには終了予定だと思います。また未来開拓プログラム、これにより平成25年度には収支のバランスがとれてくるだろうと。そして、三つ目に、知事は昨年「とみかず元気宣言」を掲げて当選されました。その後1年の間、まさに私は社会情勢、経済情勢、それが大きく変化をしてきていると思うのです。そういう意味で、これからは知事はもうマニフェストにとらわれる必要はないだろうと、私は個人的にはそう考えております。  そしてまた、平成24年に知事の任期が切れる、そういうもろもろのことを考えてみますと、私は平成24~25年、まさに栃木県にとって大きな時代の変わり目が来るだろうと、そう思えてなりません。特に、先ほど申し上げました県の総合計画、これが平成22年度で一たん切れるわけですね。5年の周期でこれが切れるわけですよ。県のこれからの情勢を考えれば、次期総合計画は平成23年度から平成27年度ということになっておりますが、平成24~25年で大きく変わるということであれば5年にこだわる必要はないだろうと、個人的には思っているのですね。  そういう意味で、まずその総合計画について知事が答弁しているのですが、「次期の総合計画の策定に当たって各分野の専門家に議論をしてもらう」、こういう発言をされています。あるいはまた「真に市町村が輝く政策を推進する」、こういう話もされているのですね。そういうことを考えてまいりますと、専門家あるいは市町村長、そういう方々のご協力をいただくということにもなっていて、新しい栃木県をつくるのだろうと思うのですが、そういうことを考えてまいりますと、やはりそういう首長さん方の判断基準をつくるという意味でも、私はきちんとした知事のメッセージ、そういうものが必要なのではと思うのですよ。そういうものがなければ、私はこの苦労に耐えていくことはできないと思っております。  私は、議論は総花的であってはいかんだろうと思うのですね。何に力を入れていくか、何に力を入れていって、将来こんな栃木県にするんだというような、そういった具体的なものがどうも欲しい、そんな感じがいたします。この場で、こういう栃木県にしたらいいというのはお聞きしませんが、ぜひ総合計画、あるいはこれから執行する事業について、そういう判断のもとに事業の執行に当たってもらいたいと思いますので、今でなくても結構でございますが、頭においていただきたい。特にお願いを申し上げたいと思っております。  次に、今、基金事業、あるいはその他の事業、それも含めて761億円の補正予算が上程されているわけでございますが、予算の再度の補正、そういうものをこれからやっていかなければならないということが生じるのではないかという気がいたします。当然、事業の優先順位、そういうものを決めていかなければならない、判断をしていかなければならない、そういう時期が来るのだと思うのですね。特に、鳩山首相の発言を聞いていますと、2兆円に及ぶ執行停止、これをよしとするような判断をしているのですね。あるいは、来年度7兆円からの予算の節約を図るのだと、こういう発言をされているわけであります。そういうことを考えてまいりますと、私は二元代表制の一翼を担う議会として今のままではいかないだろうと考えております。特に、予算の再編成、予算の補正、そういうものはできるなら、これまででやってきたような知事の専決処分というわけにはいかなくなってくるのではないかと思うのです。要するに、臨時議会も開かなければならない、そういう時期が来るのではないかという感じもしております。そういう意味で、知事の考え方を、もう一度その辺も含めてお答えいただければと思います。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 今回、補正予算に計上いたしました事業につきましては、景気回復はもちろん、県民の安全・安心や福祉の向上に資する事業ばかりでありますことや、内示済みの事業の多くは現場で諸準備を進めておりますことから、引き続き全国知事会を通じて予定どおり執行を国に求めてまいりたいと考えております。  最終的に、国の方針が決定した場合には、それに適切に対応していくこととなりますが、執行ができなくなった事業につきましては、通常の不用となった事業と同様に、2月補正予算において整理を行うことになると考えております。組み替えなどが必要になるような施策の転換があった場合には、当然臨時議会なども開催することも視野に入れていくことが必要になると考えております。 ○渡辺渡 委員長 梶委員。 ◆梶克之 委員 臨時議会等を開かなくて済むようになればいいと、そんな危惧もいたしておりますので、私ども議会としても、しっかり国の動きを見ながら頑張ってまいりたいと思います。県民に負担がかからないように、ともに協力をして頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  それでは、次の質問に入ります。  生活福祉資金貸付制度、この問題についてご質問いたします。  今回の制度は、10種類ある貸し付けの種類を4種類に統合するということで、まさに私は現在の不況下における諸状況に対応した大変な工夫をされたなと思っております。  ただ、生活保護の受給世帯、昨年末現在で全国的には115万世帯と言われております。また、本県でも7月分の統計によりますと、1万1,600世帯、約1万6,000人というのが受給を受けている家庭の状況でございます。ところが、この制度の利用者を見てみますと、平成18年度が95件、平成19年度が78件、平成20年度が108件なのですね。非常にわずかなのです。そういうものを考えてまいりますと、生活福祉資金貸付制度、その対象者、それから今申し上げた生活保護の受給者、その間の境界線と言いましょうか、金額というか、経済上ですね、極めて差がないのですね。わかりにくい、そういうものが非常にあるような気がするのです。この貸付制度、福祉事業でございますので、民生委員の方々に判断をゆだね過ぎではないかと、そういう感じがするのです。ですから、残念ながら制度の周知がされていない。あるいは、その使い勝手が非常に悪い。こういう状況が、今あるわけでございます。  そこで、今回の見直しを含めて、制度全般にわたってさらなる周知を行うことが必要だと思いますし、また真に必要とされている方々、そういう方が利用しやすいような環境づくり、そういうものも必要だろうと思うのです。あるいは、利用しようとする方々の相談体制を強化する、そういうものは大変大事だろうと思うのですが、その辺の考え方について、保健福祉部長にお伺いしたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 北澤保健福祉部長。 ◎北澤 保健福祉部長 県の社会福祉協議会が実施いたします生活福祉資金貸付制度につきましては、今回、連帯保証人が確保できなくても貸し付けが可能となるよう要件が緩和されたほか、貸付利率の引き下げなど、より活用しやすい制度に改善されたところであります。  また、貸し付けに際し、市町村社会福祉協議会が、自立に向けた計画書の作成を支援するとともに、貸し付け後も当該社会福祉協議会福祉事務所、ハローワークが連携し就労相談を行うなど、継続的に相談支援を行う体制が整備されました。  今後、真に必要とする人がこの制度を利用できますよう、県のホームページ福祉事務所求職者総合支援センター等での情報提供に努めますとともに、相談窓口であります民生委員、あるいは市町村社会福祉協議会と連携いたしまして、積極的に制度の周知に努めてまいります。 ○渡辺渡 委員長 梶委員。
    ◆梶克之 委員 ぜひ、利用しやすいように特段のご配慮をよろしくお願い申し上げたいと思います。  次に、介護職員の処遇改善の取り組み、この問題について質問いたします。  今回、同じように上程されております障害者自立支援対策臨時特例基金、これと相通ずるものがあるような気がいたします。特に、今後の介護サービスの需要の増加を考えますと、私は介護従事者の確保、または介護の質の向上、そういうものをこれまで以上に図っていかなければならないだろう思います。  ところが、介護の仕事、これはもう大変厳しいということやローテーション勤務、そういうことで非常に敬遠されているのですね。特に、先ほど申し上げましたように、障害者関係もそうなのですが、福祉職、これは今3Kと言われております。「きつい」「給料が安い」「結婚ができない」、こう言われているのですね。それが、まさに今の福祉職なのだろうと私は思うのです。  それで、今回の交付制度、これは事業者の提出する処遇改善、あるいは職員のスキルアップに関する計画に基づいて、職員1人当たり1万5,000円ぐらいを目安に支給をするという計画になっているようでございますが、私は介護者の定着を促進する、あるいは介護の人材を確保する、そういうものを考えるのならば交付期間が終了後も継続をできるように、やはり国が責任を持ってアップした給与は引き続きもらえるように働きかけていく必要があるのだろうと思いますので、この制度を定着させるという意味でも、その辺ぜひ頭に置いていただきたいと思います。  そこで、県としても、事業者に対して効果的かつ実効的な処遇改善計画の作成支援、あるいはその確実な履行確保のための指導を行い、介護職員の処遇改善やサービスの質の向上に努めていただきたいと思っておりますし、介護職員の定着促進につなげてほしいと思うのですが、その辺の考え方について、同じく保健福祉部長にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 北澤保健福祉部長。 ◎北澤 保健福祉部長 介護職員の処遇改善を着実に進めるためには、事業者が国の臨時特例交付金事業に基づきまして、賃金の改善や教育・研修制度の充実等を盛り込んだ適切な処遇改善計画を作成することが特に重要でございます。  このため、事業所に対しまして、制度の内容を周知する説明会を開催しましたほか、県のホームページに質疑応答集を掲載するなど、計画の作成をきめ細かに支援していきたいと考えております。  また、処遇改善計画の履行を担保するために、交付金が着実に賃金改善に反映されているかどうか、実地指導などで確認するとともに、支払いの委託先であります国民健康保険団体連合会と連携いたしまして、賃金支給に関する苦情等にも対応してまいります。  今後とも、こうした取り組みを通じまして、介護職員の処遇改善を図り、質の高い介護サービスが安定的に供給されるよう、介護職員の定着促進に向けた施策を積極的に推進してまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 梶委員。 ◆梶克之 委員 ぜひ、よろしくお願いいたします。  先ほど申し上げたように一番大事なのは2年で終了した後介護報酬が下がらないような方法を今から考えていただきたい、そのように思いますし、今お話ございましたが、現場を見てみますと、施設によりましてサービスの質が大きく違う、相当差があるという話を聞いているのですね。その辺、ぜひ指導をよろしくお願い申し上げたいと思うのです。  いずれにしましても、福祉職、先ほど申し上げたように、残念ながら3Kと言われている職業ですからね。大変大事な仕事でございますので、若者がやっぱり生涯を通して魅力を感じて福祉職につけるように努力をお願い申し上げたいと思うのですね。と同時に、医師不足ということがいわれているのですが、私はこの福祉職というものも、やはり医師不足と同じような発想を持って考えていく必要があるのだろうと思いますので、その辺もぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。  最後に、自殺対策についてお伺いをいたします。  県警本部のまとめたところによれば、昨年、591人の方が自殺をされたということです。それで、残念ながら今年度はもっとふえるのではないか、そういう話がされております。自殺にはいろいろな状況があるのだろうと思うのですが、県で自殺対策推進本部を設置するとともに、県の関係団体などからなる自殺対策連絡協議会を立ち上げていますが、自殺対策、これはやはり社会的な問題であるといった基本理念をもっと社会全体として受けとめて啓発・周知を徹底して図る必要があるのではないかと思いますし、あるいは自殺予防にも取り組んでいく必要があるのだろうと思うのです。  また、自殺者の遺族に対する支援も必要だろうと思いますが、保健福祉部長の考えを伺います。 ○渡辺渡 委員長 北澤保健福祉部長。 ◎北澤 保健福祉部長 自殺を防止するために、県民が総ぐるみでこの対策を進めていく必要があると感じております。このため、今般基金を活用いたしまして、啓発資料の全戸配付等によるキャンペーンを実施いたしますとともに、心の健康相談、それから多重債務等の相談をあわせて行うなど、相談支援体制の強化を図りますほか、市町村の自主的な取り組みに対する財政支援を新たに行うこととしたところであります。  また、自死遺族に対しましては、心に閉じ込めた思いを語れる場であります「分かち合いの会」への助成の拡充など、支援を強化してまいります。  今後とも、市町村や関係機関・団体等と密接な連携を図りながら、一人でも多くの命を救えますよう、積極的に自殺対策に取り組んでまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 梶委員。 ◆梶克之 委員 残念ながらこれまで自殺対策と言いますと、いのちの電話しかないような気がするのですね。今申し上げたような、推進本部あるいは協議会がお互いに連携をとるという必要が非常にあるのだろうと思うのです。いろいろ難しい問題もございますが、社会全体の問題だということで、これから考えていかなければいけないだろうと思っております。  そこで、一つだけ、教育長にもお願い申し上げておきたいと思うのですが、子供たちは、残念ながらいのちの電話や相談窓口に相談をするという余裕がないのだろうと思うのです。そういう意味で、子供のいじめ、あるいは不登校、あるいは引きこもり、そういう問題がたくさん今ありますので心のケア、あるいは命を大切にする教育がこれから非常に大事になってくるのだろうと思うのです。子供のうちからそうした命の大切さをじっくりと教えてもらいたい、教育をしてもらいたい、そのように思いますので、教育長にお願い申し上げて質問を終わります。 ○渡辺渡 委員長 以上で梶克之委員の質疑は終了いたしました。  次の発言通告者に対し、発言を許します。  花塚隆志委員。 ◆花塚隆志 委員 おはようございます。花塚隆志でございます。  政権が交代をいたしましても、経済状況は極めて厳しいままでございます。そこで、まさにこの経済状況を打開するために策定をされた本補正予算案、この経済効果についてお伺いをしてまいります。  8月12日に、我々自民党議員会は、この編成に先立ちまして緊急提言を申し上げましたが、提言どおりの過去最大の規模となりました。群馬・茨城両県と比較をいたしましても、6月期を加えた額でも本県はぬきんでております。規模は確保された。しかし、我々は将来を見据えた効果的な事業とすることも、同時に提言をいたしております。  そこで、経済対策である本補正予算案の経済効果について、知事はどのようにお考えになり、そして県民のために、この経済効果を最大限に上げていくために、どのような点に留意をされて本予算を編成をされたのかお聞きをいたします。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 国の経済危機対策は、政策手段を総動員しながら、景気の底割れを防ぎ、未来の成長力強化につなげるための包括的な対策として策定されたものであります。  これに呼応し、6月補正予算に引き続き編成いたしました本県の9月補正予算案は、雇用の安定や医療・福祉・子育て環境の充実、地球温暖化対策の推進、安全・安心の確保など、当面する緊要な課題に積極的に対処をし、幅広い分野で県内経済の活性化に資するよう編成したところであります。  まず、公共事業等社会資本の整備や社会福祉施設の耐震化工事の実施等によりまして、すそ野の広い建設関連産業の受注量の確保に努めますとともに、借りかえ専用資金の創設など、制度融資の充実による中小企業の活性化に取り組んでまいります。  また、太陽光等新エネルギーの導入や、医療・福祉・介護人材の確保などを行うことによって、今後成長や需要が見込まれる分野の振興にも意を用いることといたしました。  さらに、雇用の安定や子育て環境の充実に取り組むとともに、新型インフルエンザ対策や、消費者行政活性化事業の推進にも努めることとしております。  市町村を初め、関係機関との密接な連携のもと、これらの事業を実施することによって、切れ目のない経済効果を上げられるものと考えているところであります。  なお、鉄道駅のバリアフリー化や、県立学校体育館等の大規模改造など、将来行うべき事業を前倒しして実施するとともに、国の交付金等を最大限活用し、県債発行の抑制に努めることによって、将来にわたる県費負担の軽減も図ったところであります。  補正予算の編成に当たりましては、自由民主党議員会を初め、各会派から貴重なご提言も賜りました。過去最大規模となるこの補正予算を議決いただいた上で速やかに執行し、県内景気の一刻も早い回復に努めてまいる考えでありますので、委員各位のご理解とご協力をお願いいたします。 ○渡辺渡 委員長 花塚委員。 ◆花塚隆志 委員 ありがとうございます。  何点か、再質問をさせていただきます。  速やかな執行ということでありますが、経済効果について改めてお聞きをしていく前に、そのスピードに関して再質問させていただきます。  本予算案に計上された基金の積み立ては13基金466億円と、全体の6割を占めております。この基金の中で、今回事業化されるのは約50億円、1割ということであります。そこで、この1割を議決して執行していくというだけではなくて、さらに残りの9割について前倒しをして実施をしていくことはできないのか、知事にお伺いをいたします。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 今回の補正予算に計上した基金につきましては、県内景気の一刻も早い回復に資するため、可能な限り前倒しをして活用をすることが望ましいと考えております。  一方、補正予算の編成時点におきましては、本県への配分額や活用可能範囲等の詳細が不明なものもあったことや、計画の策定等、一定の準備期間が必要な事業もありますことなどから、今回の補正予算に計上した額としては、ご指摘のとおりとなったわけでございます。  実施主体の多くが、市町村及び医療機関など民間団体となっておりまして、それぞれ予定されている事業計画等との関係もありますことから、今以上の前倒しには一定の制約もあると考えておりますが、事業主体からさらに事業実施の要望等があった場合には、可能な限りこれにこたえていくこととともに、県事業につきましても、さらなる前倒しの可能性を探ってまいりたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 花塚委員。 ◆花塚隆志 委員 市町村等が要望してくれば、それにこたえてどんどん事業を実施していただきたいと思います。今回議決をされたからといって、年度内はこの事業だけやっていけばいいんだということではなくて、やはり前向きに事業に臨んでいっていただきたいと思います。  さてここで、改めて知事にお聞きをしたいと思うのですが、これ禅問答のような聞き方をして大変恐縮なのですが、知事は経済効果のために肝心なことは何だ、経済効果に必要なことは何だと考えていらっしゃいますでしょうか。お願いいたします。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 経済効果を上げるためには何が必要かというご質問でございます。  まず、実効を上げるためには、景気の現状を正しく把握することが肝要だと思います。景気の落ち込みの短期的な要因、経済構造等に起因する長期的な要因、それぞれ的確に対応をする施策を時期を逸することなく実施していくことが、何よりも重要ではないかと考えております。  しかし、未来への不確定要素が増大している中、最も大切なことは、国民、社会に訴える力であり、新内閣には現在の厳しい経済危機を克服すべく、財政・金融政策を総動員して乗り越えていくという強固な意志のもと、明確な方向性を早期に示してほしいと考えているところであります。 ○渡辺渡 委員長 花塚委員。 ◆花塚隆志 委員 ありがとうございます。  現状を把握するということでございました。私なりに、ありきたりで考えますと、規模やスピードということに触れましたが、その波及効果や持続性、これが大切だと考えておりますが、ただこれは発する側の論理でありまして、私は大切なのは受け手の側、県民や、あるいは地域が何を望んでいるか、それにどう応じていけるのか、そういうことが大切なのではないかと思っております。  今回のこの対策で、例えば私の地元のことだけ考えてみますと、投資的経費の中で耐震改修というのもある程度強調もされているわけですが、例えばさくら警察署、それから高根沢高校の体育館、こういったところが耐震補強されます。それから、氏家駅がバリアフリー化されるということでありますが、投資的事業、このくらいでありましょうか。それから、もちろんそれだけではなくて、J-ALERT(ジェイアラート)、全国瞬時警報システム、これはさくら市などでは既に導入済みでありますが、ただ北朝鮮などからの飛翔物に対応するために新たなモデムに入れかえると聞いております。また、高根沢などでは、全く新たにシステムが導入されるということでありました。さらに、全県的に行われる家庭用太陽光発電、これは高効率給湯器とセットの場合のみの補助12万円とかですね、県産材を使った木造住宅建設に30万円というものも新設をされておりますが、私はもっと県民が実感できる取り組みはできないものなのかなと考えるものであります。  県民経済を考えれば、やはり例えば基盤となる農業の活性化ではないか、中小企業のためのさらなる施策ではないか、あるいは観光交流の活性化ではないか、そしてまた最も大切なのは、各地域発の活性化策ではないかと考えております。例えば、そのさくら市などで考えると、ホンダが1日も早く稼働すると、こういうことが起これば、これは最大の効果をもたらすわけであります。  そこで、今回の編成はですね、与えられた条件のもとで精いっぱい考えていただいていると、一つ一つの施策を私なりに調べていきますと、努力の跡がうかがえます。ただ、経済対策として729億円、多額の税金を投入していくわけですから、例えばこれから取り崩していく分に関しては、地方に対して現在の新政府は一括交付金というような言い方もしている政府ですから、その使い道について、真の地方分権や地域主権という精神に基づいて、地方に自由な裁量で執行を求めていくことはできないものかと思うわけです。政治主導と言いながらですね、現在の新政府、地方政治をどう考えているのかということは明らかではありませんが、基金を召し上げずに残すというだけではなくて、次年度からは、地方では地方の政治主導で行えるよう強く求めていくべきではないかと考えますが、知事の考えをお伺いをいたします。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 全国知事会では、9月29日に、埼玉、神奈川、富山、3県の知事が、原口総務大臣等に補正予算の見直し等に係る要請活動を行ったところであります。その際、大臣から「補正予算を予定どおり執行してほしいという地方の要請は、大枠では理解できる」とした上で、「例えば使い勝手の悪い事業であるとか、実質的に効果の薄い事業であるとかがあれば、現場を知る地方からその問題を具体的に提起してほしい」というお話があったようでございます。これを受けて、現在全国知事会におきましては、こうしたものがないかどうか調査中でありまして、調査結果を受け、地方の裁量を拡大するよう国に対して要請していくこととなると考えております。 ○渡辺渡 委員長 花塚委員。 ◆花塚隆志 委員 ありがとうございます。  現在ある基金についても、やはり新たな考えで取り組んでいただきたい。それから、現在国ではまだ未定でありますが、次なる補正ということについても触れられていると思います。もしですね、これから次の補正が起こる、そういう場合には、やはりこれは地方発の、各地方が独自で取り組む経済対策というものがもう何としても必要なのだということをですね、強く要請をして実現をしていただきたい。また、これからやる施策、もちろん県がやる施策に関しては、それぞれの地域独自の経済効果、これを考えて実施をしていただきたいと考えるのですが、再度知事にお伺いをしたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 経済対策が十分な効果を上げるためには、地域の経済状況に的確に対応した施策を講じることが必要でありますことから、地方の裁量で柔軟かつ適切な対応が可能となる措置を講ずるよう、引き続き全国知事会等を通じて国に強く要請してまいりたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 花塚委員。 ◆花塚隆志 委員 ありがとうございます。  ぜひ、新たな時代を切り開くべく、よろしくお願いしたいと思っております。  県土整備部長にもお聞きする予定でいたのですが、また改めてお聞きをさせていただきたいと思います。  さて、県の経済対策といいますと、もう一つ制度融資の拡充がありますが、現在国では金融担当大臣のモラトリアム政策等が注目されております。大きな批判もあるということですが、中小企業の頑張りを何とかしなければという気持ちは伝わってくるものだと考えております。  しかし、中小企業に対する細かな施策をどうしようという議論は、本来この場で行われるべきではないのかなと考えます。ただ、この質問は最後の締めにですね、斉藤副委員長から質問があることになっておりますので、私からはもう一点知事に再質問させていただきます。  現在、県は財政が逼迫をして、未来開拓という名の財政健全化プログラムをまさに策定をしようとしているときであります。そして、それをもって次年度予算の編成作業にかかっていこうとしております。多くの事業が縮小、削減の対象となっておりますが、しかしこういう経済が厳しいときでありますから、ぜひとも次年度予算編成に当たっては、そのど真ん中に経済対策、そして雇用対策という柱を掲げて、編成に当たっていただきたいと念願するわけですが、知事の考えをお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 県内景気に目を向けますと、特に雇用や所得の面で厳しい状況が続いておりまして、引き続き的確な経済・雇用対策が必要であると認識をしています。  県税収入のさらなる落ち込みも懸念される中、今後、平成22年度予算編成方針を検討するに当たりましては、「とちぎ未来開拓プログラム」の初年度として、その着実な実行を図りますとともに、当面する課題や県民ニーズに的確に対応していくために、何が必要であるかを十分見きわめて臨んでまいりたいと思います。  また、新内閣に対しまして、厳しい地方財政の状況を十分に認識し、それぞれの地域の状況に的確に対応した経済対策を実施できるような措置を講ずるよう、全国知事会等を通じ、強く求めてまいりたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 花塚委員。 ◆花塚隆志 委員 県の財布も大切でありますが、最も大切なのは県民の財布、県民経済であろうと思います。どうかよろしくお願いをいたします。  次の質問に移らせていただきます。  次に、県民がまさに求めているものという観点から2点お伺いいたします。  直近で、県民意向調査の結果が公表をされました。次期総合計画、2年後に生かすためということですが、これはまさに県民の直近の生の声でありますから、次期総合計画に盛り込んで、それから生かしていくということではなくて、今すぐ、例えば今回の補正予算、あるいはもちろん次年度予算にも、すぐに反映をさせていただきたいと考えるのであります。そして、明確な将来ビジョンに基づいてこれを行っていただきたい。  まず、重要度が第1位、そして不満度も1位という、安心で良質な医療についてでありますが、現在県では県南及び県西の二次医療圏の地域医療再生計画の策定作業を進めておりまして、特に今回の県南の二次医療圏の100億円の計画でありますが、これは国に認めてもらうためには、全国のモデルとなるようなユニークな手法を含む事業を盛り込む必要がどうしてもあるということですが、ぜひ栃木発の意欲的な特徴ある施策を盛り込んでいただきたいと思うわけです。そこで県では、県南二次医療圏の医療再生計画策定に当たって、何を売りにしていこうと考えているのか、保健福祉部長にお伺いをいたします。 ○渡辺渡 委員長 北澤保健福祉部長。 ◎北澤 保健福祉部長 県南保健医療圏におきましては、県内外からの患者集中によりまして、自治・獨協両大学病院の負担が増大するなど、さまざまな課題があります。  このため、こうした医療課題の解決に向けて、二次救急等の役割を担う中核病院の診療機能の強化を図りますとともに、大学病院への研究講座の開設を通した新たな医師、看護師等の確保対策、あるいはメディカルクラークの育成、さらには勤務環境改善に向けた院内保育所の整備や、効果的な医師招聘に向けた独自の研修プログラムの構築など、女性医師が多いといった本県の特性も踏まえて、魅力ある環境整備を促進してまいりたいと考えております。  さらに、医療・介護の連携に基づく質の高いサービスの提供を目指しまして、病院や診療所だけではなく介護・福祉施設を含めて、患者や入所者の診療情報等を、二次医療圏規模で電子的に共有できるシステムの構築を支援してまいりたいと考えております。  引き続き、関係者等の理解を得ながら、熟度の高い計画となりますよう取り組んでまいります。 ○渡辺渡 委員長 花塚委員。 ◆花塚隆志 委員 要望いたしたいと思いますが、最後になかなか意欲的な取り組みかなと聞こえる部分がありました。医療関連の、病院と医院、診療所、それだけではなくて、介護施設とも電子情報で結んで、これを生かしていきたいということでありましたが、これに関しては、私は以前から、健康情報手帳、これに電子情報をということをずっと訴えてまいりましたので、そのような仕組みも取り入れていただければいいのではないかなと思いますし、また例えば千葉県では、ドクターヘリで有名な千葉の北総病院ですが、ここではこの間、テレビで放映されておりましたが、トリアージタッグというものを災害現場に採用して、急に傷病者が多数発生したときにトリアージタッグを用いて、さらに特殊なペン、これはJAXA(ジャクサ)が開発したものだそうでありますが、そのペンで情報端末に書き入れていくと、その手の動きに応じてそれをそのまま衛星を介して災害対策本部に伝わるというような、極めて先進的な取り組みが千葉県では訓練として行われておりますから、こういうものも十分に参考にしながら、すばらしいシステムになるように、またこれがきちんと通って本県から実施ができていきますように、心から念願をいたします。  次の質問に移ります。  意向調査では、重要度で前年は1位、今回は3位ということですが、その内容では前年を上回って高くなっていて、かつ不満度は2番目に高かったという心の教育の推進の補正予算に関してお伺いします。教育長にお伺いしますが、健康な心は健康な体に宿ると言われておりますが、県立学校におけるスポーツ環境は必ずしも恵まれていないのではないかなと私は考えております。今回の補正予算では、県立高校の体育館の耐震化工事と合わせた大規模改修工事が計上されておりますが、本県スポーツ環境の向上にも資する改修をしていただきたいと考えます。そこで、どのような改修になっていくのか、教育長にお伺いをいたします。 ○渡辺渡 委員長 須藤教育長。 ◎須藤 教育長 県立学校の体育館につきましては、老朽化等が進んでおりまして、耐震性の確保が必要なところがございます。  このため、今回の補正予算案におきましては、耐震補強工事にあわせまして、体育館の屋根や壁、床などの大規模改修工事を実施させていただきまして、機能の充実を図ることとしております。  今後とも、スポーツ環境の向上につきましては、市町村等との連携を図りながら、公共施設の利活用や旧学校施設の有効活用なども含めまして、検討を進めてまいりたいと考えております。
    ○渡辺渡 委員長 花塚委員。 ◆花塚隆志 委員 では、最後に要望させていただきますが、実は自民党議員会の政策要望として、教育長に要望させていただいた中身でもありますが、今、補正予算案に関連したので体育館についてお聞きしましたが、実はグラウンド等の使用方法に関しても、野球部とサッカー部がグラウンドを一緒にしながらやっているという、極めて恵まれない環境にもあると思いますので、こういうところは地元の市や町、あるいは別のことも考えながら、子供たち、高校生が伸び伸びとスポーツに打ち込めるように、なかなか新たにグラウンドを拡張しようなんていうことは難しいとは思いますが、小中の学校再編なども進んでおりますから、市町と連携した取り組みが何とかできないか、あるいは統合された高校のグラウンドも使えないかいろいろ考えて、高校生のスポーツ環境が整っていきますように強く要望いたしたいと思っております。  それから、教育の中立性ということに関しては、これは本会議で五十嵐議員から質問があったわけでありますが、県内でも政権が動いたことによって懸念される声も沸き上がっております。これは本会議でもご答弁いただいておりますが、きちんとですね、教育の清浄化が進んで、心の教育は何よりも県民が心配している中身でありますから、しっかりした心の教育、道徳教育を中心とした、あるいは国を大切に思う、家族を大切に思う心、そういうものを大切にした教育を進めていただきたいと思っております。  時間がなくなりましたので、環境森林部長には質問をすることができませんでしたが、環境中心、栃木県の県旗というのは、まさに目に鮮やかなグリーンでありますから、これからやはり環境森林、これをきちんと打ち出していっていただきたいと考えます。  以上で、すべての質問を終わります。 ○渡辺渡 委員長 以上で花塚隆志委員の質疑は終了いたしました。  この際、休憩したいと存じます。  午前11時10分から再開をいたします。  休憩いたします。                  午前11時00分休憩           ────────────────────                  午前11時10分再開 ○渡辺渡 委員長 委員会を再開をいたします。  引き続き、総括質疑を行います。  発言通告者に対し、発言を許します。  佐藤良委員。 ◆佐藤良 委員 自由民主党議員会の佐藤良でございます。早速、質問に入らせていただきます。  まず初めに、雇用創出事業についてお伺いいたします。  全国の8月の有効求人倍率は0.42倍、完全失業率は5.5%、失業者は361万人に上りました。本県においても、有効求人倍率は0.35倍と全国平均を下回り、全国順位も38位と低迷しております。そのため、4月にJR宇都宮駅前に設置したとちぎ求職者総合支援センターや各ハローワークには、数多くの職を求める方々が来所されていると聞いております。  このような状況の中、県では平成20年度2月補正予算において国からの交付金を活用し、緊急雇用創出事業については平成20年度末から、ふるさと雇用再生特別事業については平成21年度から、県と市、町において雇用創出事業に取り組まれているところであります。  緊急雇用創出事業は、次の雇用までの短期の雇用機会を創出するもので、国の経済危機対策にあわせ、6月議会で補正を行い増額したところであります。また、ふるさと雇用再生特別事業は、地域における継続的な雇用機会の創出を図るものであり、民間企業の知恵や工夫を導入するため事業企画を公募すべきではないかと、私は6月議会の一般質問で提案をさせていただいたところであります。これにつきましては、早速ご対応いただき、6月22日から7月21日までの1カ月間公募されたということで、その結果として、県のホームページでも7企画が採択されたと公表されております。  これらの事業は、その財源の全額が国の交付金で賄われており、地域の雇用機会の創出を図るためには、ぜひとも積極的に取り組むべきであると私は考えます。また、平成23年度が終期となっていることから、できる限り早く事業を実施していくことが重要であると考えます。  そこで、緊急雇用創出事業及びふるさと雇用再生特別事業の現在の進捗状況と、今後の取り組みの考え方を、産業労働観光部長にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 野口産業労働観光部長。 ◎野口 産業労働観光部長 進捗状況についてのお尋ねでございますが、今年度の9月末現在の数字でございます。緊急雇用創出事業につきましては、県分が49%、市町村分が72%となっておりまして、今年度の予定事業費約35億円に対して約21億円の事業化が決定しております。また、ふるさと雇用再生特別事業の進捗状況につきましては、県分が57%、市町村分が73%となっておりまして、今年度の予定事業費約17億円に対して約11億円の事業化が決定しております。  二つの事業を合計いたしますと、62%の進捗状況となっておりますが、これは6月に補正をいただきました緊急雇用創出事業の今年度の追加分約20億円につきまして、その事業化が6億円にとどまっておりますことが主な要因となっております。  現下の厳しい雇用情勢を改善するためには、早急な取り組みが必要でありますことから、新たな事業の掘り起こしや既存事業の拡充を図るとともに、公募によりまして民間企業から企画提案をいただいた事業を市町村に情報提供するなどして、関係部局と連携し、事業推進に努めてまいります。 ○渡辺渡 委員長 佐藤委員。 ◆佐藤良 委員 再質問をさせていただきます。  県と市町村の事業の進捗にはばらつきがある、差がある。また、全体においては62%の進捗状況だというご答弁をいただきました。私は、県と市町村分のシェアの変更など、効果的に基金を活用するための柔軟な対応が必要であると考えますが、部長の考えを再度お伺いします。  もう一点、あわせて再質問させていただきます。  ふるさと雇用再生特別事業については、今後も民間からの事業提案を公募することが有効的な方法だと私は考えます。そこで、さらに公募を行っていく考えはあるのか、部長にあわせてお伺いをいたします。 ○渡辺渡 委員長 野口産業労働観光部長。 ◎野口 産業労働観光部長 基金事業の活用に当たりましては、県と市町村が一体で取り組むということで、県と市町村に同額を振り分けまして事業の推進に当たっております。  ご指摘にありましたように、県と市町村の間で進捗に差が生じておりますが、両方とも、現時点では県も市町村もまだ予定の事業費に達していないという状況でございますので、当面はそれぞれにおいて早急な事業化を図ってまいりたいと考えております。今後の進捗状況によっては、市町村の意向を踏まえて、その配分についても検討してまいりたいと考えております。  それからもう一点、公募についてのお尋ねでございますが、広く民間の方から企画提案をいただきますことは、民間の創意工夫を生かして、地域のニーズに合った事業を創出するという制度の趣旨に有効だと考えておりますので、今後とも随時企画提案の募集等を実施してまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 佐藤委員。 ◆佐藤良 委員 ありがとうございます。  本事業においては、各地域のニーズを把握し、効果的に基金を活用できるように要望いたしまして、次の質問に臨みます。  次に、ひとり親家庭等への支援について、2点ほどお伺いいたします。  まず初めに、9月補正予算に計上されている、ひとり親家庭等への支援拡充についてであります。近年、離婚率は高まりつつ、母子家庭や父子家庭などのひとり親家庭が増加しております。こうしたひとり親家庭は、子育てと生計維持という二つの役割を1人で担うことになった直後から、その生活は大きく変化し、日常生活面でさまざまな困難に直面することとなります。  ひとり親家庭では、子育てと仕事の両立が何よりも重要であります。しかしながら、現在の厳しい雇用情勢の中では、特に母子家庭の母においては就職が一層困難であり、現状ではアルバイトやパートの割合が高く、収入もかなり低い状況にあると聞いております。  このような状況に対応するため、9月補正予算では、就職に有利となるよう看護師などの資格取得のための修学時の生活費支給額の増額や、職業紹介等を行う企業等による就業支援等が盛り込まれた「ひとり親家庭等への支援拡充事業」が計上されております。  厳しい状況に置かれているひとり親家庭への支援を強化していく上で、非常にタイムリーな対応だと考えておりますが、どのように事業が拡充されても、それを必要とする方々にきちんと周知され、利用につながらなければ意味がないと思っております。  そこで、県は、今回の補正予算により、ひとり親家庭等への支援の強化にどのように取り組み、また、いかにしてその効果的な展開を図っていくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 北澤保健福祉部長。 ◎北澤 保健福祉部長 ひとり親家庭等に対しましては、自立に向けた総合的な支援を推進しておりますが、特に就業支援につきましては、相談から資格取得講習会の開催、ハローワークと連携した職業紹介まで一貫した支援を行っております。  今般の、安心こども基金の拡充によりまして、高等技能訓練受講時における給付金の増額や、ひとり親家庭の親が働きやすい職場の開拓、引きこもりがちな母親への戸別訪問による相談支援など、より効果的な就業支援に取り組むこととしております。  事業の実施に当たりましては、より多くの方々の自立促進につながりますよう、各種広報媒体や、本年度から土曜日にも実施しております巡回就業相談等を活用して制度の周知を図るなど、母子福祉団体や市町村など関係機関と緊密に連携しながら、事業の積極的な推進に努めてまいります。 ○渡辺渡 委員長 佐藤委員。 ◆佐藤良 委員 1点、再質問をさせていただきます。  当該事業における高等技能訓練の対象資格は、看護師、介護福祉士など、本県においても人材が不足している医療・福祉・介護分野が中心であります。県において、これらの分野の人材確保も保健福祉部が所管されているということから、資格取得後の就労につながる有効な手立てはないか、保健福祉部長に再質問させていただきます。 ○渡辺渡 委員長 北澤保健福祉部長。 ◎北澤 保健福祉部長 高等技能訓練の事業によりまして、看護師などの資格を取得された方に対しましては、県が県母子寡婦福祉連合会に委託し実施しております母子家庭等就業自立支援センター事業、あるいは県看護協会、県社会福祉協議会が医療福祉分野の人材確保のために行っております無料職業紹介などによりまして、就労支援を行っているところでございます。  また、福祉・介護分野全般につきましては、平成21年度、国の補正予算によりまして、福祉・介護人材緊急確保対策事業にその対象事業が追加されたことから、これを受けて、栃木県福祉人材センターにキャリア支援専門員を配置いたしまして、個々の求職者にふさわしい職場をあっせん、いわゆるマッチングするなど、求職者の円滑な就労定着支援を積極的に図ってまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 佐藤委員。 ◆佐藤良 委員 ありがとうございます。  円滑な就業支援をしていくという答弁をいただきましたので、本事業を活用してそのようになるよう要望いたしまして、次の質問に入ります。  次に、次期「ひとり親家庭等自律促進計画」についてお伺いいたします。  本県におけるひとり親家庭への支援については、現在、平成17年度から平成21年度までを計画期間とする「ひとり親家庭等自立促進計画」に基づき、各種施策が展開されていると認識しております。この計画では、施策の方向性や展開に当たっての基本的な考え方や、とちぎひとり親家庭等自立支援プログラムによる子育て、生活、就業支援策など、具体的に施策の展開が記載されております。  しかしながら、本計画においては、具体的な数値目標が掲げられてはおりません。今年度は、本計画の改定時期であると聞いておりますが、私は計画を策定する上で、例えば母子家庭の母への自立支援に向けた個別プランの策定数を何件にするとか、雇用拡大に向けた何らかの具体的な数値の目標を掲げ、取り組むべきだと考えております。  そこで、次期「ひとり親家庭等自立促進計画」を、どのような観点で策定しようと考えているのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 北澤保健福祉部長。 ◎北澤 保健福祉部長 次期「ひとり親家庭等自立促進計画」につきましては、保育サービスなどの子育て支援施策と一体的に推進していくことがより効果的でありますことから、とちぎ子育て支援プランと一本化することによりまして、現在その策定作業を進めているところであります。まだ、骨子の段階ではありますが、国の策定指針も踏まえまして、子育て・生活支援、就業支援、経済的支援、相談・情報提供を四つの柱といたしまして、ひとり親家庭等に対するよりきめ細かな、効果的な支援内容を盛り込んだ計画としてまいりたいと考えております。あわせて、計画の内容をより具体化し、実効性を高めていく観点から、母子家庭の母に対する自立支援プランの策定件数といった数値目標の設定につきましても検討してまいります。 ○渡辺渡 委員長 佐藤委員。 ◆佐藤良 委員 ひとり親家庭等自立促進計画について、具体的な目標を掲げることを検討していくというご答弁をいただきましたが、私は計画を立てる上で目標を掲げるべきだと思いますし、進むべき道筋を、評価をすべき道筋を立てていくことが必要だと思っています。検討するとの答弁をいただきましたが、ぜひとも目標数値を掲げ、本計画に臨んでいただくよう強く要望をさせていただきます。  最後になりますが、先ほどの花塚委員同様、厳しい社会情勢、また厳しい経済状況であるからこそ、また県においては厳しい財政状況だからこそ、いろいろな国の交付金・基金を活用し、積極的に取り組むべきであると私は考えます。そして、現在の各状況において、現状と課題を把握し、受け手側の視点に立った対策を取り組むべきだと思っております。  先ほど、知事から答弁いただきましたように、これから本県においてさまざまな問題がありますが、一番重要なことは受け手側に立ち、将来を見据えた取り組みとすることが、私は重要だと思っております。  本補正予算においては、国の交付金を積極的に活用していただくよう要望いたしまして、私の質問を終了いたします。 ○渡辺渡 委員長 以上で佐藤良委員の質疑は終了をいたしました。  次の発言通告者に対し、発言を許します。  山田美也子委員。 ◆山田美也子 委員 民主党・無所属クラブの山田美也子でございます。質問を順次させていただきます。  平成21年度9月補正予算編成の考え方について伺います。  民主党・無所属クラブは、平成21年度中間期における県政運営と9月補正等に関する要望におきまして、大型公共事業に依存しない施策、また、地方における働く場の確保、医師不足等の導入によるセーフティネットの再構築、そして暮らしの安心を取り戻すための事業等、国の具体的な施策を反映した県政運営を要望いたしました。  政権交代をした国におきましては、補正予算編成方針はむだ遣いの一掃と新たな財源の確保であり、これにより国民の暮らしを守る政策を実施していくとしております。地方自治体向けの基金事業や、地域経済、国民生活に大きな混乱を及ぼすと判断されるものについては、執行停止の対象外とする旨を表明しております。  今回の、本県の補正予算は、国の基金事業の数多くのメニューの中から、知事のおっしゃる「選択と集中」により計上したものと考えますが、今回の9月補正予算編成に当たっての考え方を知事にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 今回の補正予算は、県内景気の一刻も早い回復に資するため、6月補正予算に引き続きまして、国の経済危機対策に呼応し、国庫支出金の積極的な導入を図りながら、県費負担の抑制に努めますとともに、13の基金の創設または積み増しを行って、その活用を図ることにより、当面する緊要な課題に積極的に対処することとして編成したものであります。  まず、喫緊の課題であります雇用の安定と中小企業金融対策の充実や、地域医療の再生、福祉・介護人材の処遇改善、自殺対策や障害者の自立支援、子育てや教育環境の充実など、医療・福祉・子育て環境の充実に取り組むことといたしました。  また、県民の安全・安心の確保を図るため、医療・福祉施設等の耐震化、新型インフルエンザ対策や消費者行政活性化事業の充実などを行うほか、太陽光など新エネルギーの導入による二酸化炭素排出抑制対策の充実や、本県の豊かな森林の保全など、地球温暖化の対策の推進に努めますとともに、県民生活と将来にわたる本県の発展を支える道路など、社会資本の整備を推進することとしております。  なお、国の交付金等を最大限活用し、県立学校の体育館の耐震化など、将来行うべき事業を前倒しして実施いたしますとともに、県債発行の抑制にも努め、将来にわたる県費負担の軽減も図ったところであります。  今回の補正予算を議決いただいた上で速やかに執行し、切れ目のない経済対策に努めてまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 山田委員。 ◆山田美也子 委員 今、お答えをいただきました。切れ目のない予算執行で経済効果を上げるということでございますが、何点か須藤副知事にお伺いをしたいと思います。  これまで景気対策ということで、補正予算を繰り返してきたときには、大きな負担となって県財政の悪化になったということも考えられたかなと思います。今回は、国庫支出金がほとんどということなのですが、今回の補正予算執行が県内経済へ与える効果をもう少し具体的に教えていただきたいことと、この財政出動をしたことによっての県財政の健全化への貢献、この2点についてお伺いしたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 須藤副知事。 ◎須藤 副知事 経済対策の効果でございますが、単純に言いますと、産業連関表等に基づきまして、今回補正した額が全部使われたという場合に、波及効果と考えて大体1.3倍ぐらいの経済効果があるのかなと考えております。  これは、もととなった産業連関表自体が平成12年ぐらいにつくったもので非常に古いものですから、現在そこまで有効かどうかわかりませんが、今のところそういう試算は出ております。いずれにしても早く執行して、その辺の効果を上げるということは重要であろうかと思っております。  財政健全化の関係でございますが、今回国の交付金を最大限活用したということでございまして、それなりの50~60億円ぐらいの効果が出てくるものかなと、需用費ベースということになりますが、実際には起債の抑制といわゆる現金の支出の抑制ということで、前倒し等によりまして、その程度の効果はあるのかなと思っております。これも実際にどこまで効果があるかというのはなかなか難しいのですが、試算としてはそういう感じでございます。 ○渡辺渡 委員長 山田委員。 ◆山田美也子 委員 経済効果と、それから県の財政の健全化に対する貢献ということで、効果は1.3倍というお答えがございました。  今回は国庫支出金という形での使用ということでございますが、今、県財政が厳しい中、今回5億円の県債も発行されておりますので、財政健全化ということを考えれば、やはりこれを有効に使っていただきたいと本当に、切に願う次第でございます。  そして、もう一点、副知事にお伺いしたいと思いますが、今回の補正予算は国の基金事業の数多くのメニューの中から選択した事業でございますが、この基金の事業を決めるときに、本県の独自色、そして現場の使い勝手のよい予算にするような工夫を、既に国に対してもそのような工夫をしてほしいということを言われて策定されたのでしょうか。 ○渡辺渡 委員長 須藤副知事。 ◎須藤 副知事 今回の国のこの補正予算に対応したものにつきまして、一般論としては従来から地方は自由に裁量で使えるようにということで要望しておりますが、具体的な中身としてこれこれということはしていませんが、内容的には一括交付金のようなもので、かなり自由に使える部分が多かったものですから、ある程度は県としての独自性は出せたものと考えております。 ○渡辺渡 委員長 山田委員。 ◆山田美也子 委員 ある程度独自性は出せたということでございますね。新聞報道によりますと、これは一つの事例なのですが、介護職員の処遇改善臨時特例基金事業の中で、処遇改善の対象者を介護職員のみならず介護関係全体で働く職員にも広げてほしいという提案が、地方から国に対してあったという報道もありました。本県はそういったところで本当に地方の使い勝手のいいものを要望したのかなということがありましたので、やはりこれからは新政権に対しまして地方と国の協議の場の設定ということを知事はおっしゃっていますが、これまでもそんな形でやってきていただいたのかなということで、今回のこの補正の予算を決めるに当たって、そういう姿勢でやってきていただいたものということでの質問をさせていただきました。  とにかく県にとって使い勝手のいいもの、地方にとって自立しやすい形での予算編成を、これからもしていただきたいと思いますし、将来にわたって有意義な事業ということで努めていっていただきたいと思います。  それでは次の再質問ですが、補正予算の要望の回答時に、大型公共事業について、知事からお答えをいただいていなかったので伺いたいと思うのですが、本県の最重要課題は県財政を破綻させないということです。そのためには、安心して暮らせる身近な社会資本の整備や補修、維持管理などの公共事業は大変必要だと思っておりますが、将来を見据えて大きな財政負担となる大型公共事業の総合スポーツゾーンは見直し、そしてLRTは中止をするという方向にいってほしいとまさに願っているところでございます。まさしくそれが県民益になるのではないかなと思っております。
     政権交代をした国におきましては、幾つかの大型公共事業の中止が表明されております。本県におきましても、現下の財政状況から考えれば、大型公共事業の見直しや中止をすべきだと考えますが、知事に改めてお伺いをいたします。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 公共事業のあり方につきましては、9月の補正予算でも申し上げているとおり、喫緊の課題、それは交通安全対策であったり、児童や生徒の通学路の安全の確保であったり、こういったものを中心にして今回はお願いをしているところであります。  今後とも、公共事業の実施につきましては、財源として県債を発行する場合の公債償還費の後年度の増加にも十分留意をしながら、財政健全化とのバランスに配慮し、そしてまた県民ニーズにもこたえながら、的確に対応してまいりたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 山田委員。 ◆山田美也子 委員 公債費のバランスと県民ニーズということでございますので、これはこれからまたさらに議論を深めていかなければならないことだと思いますが、ぜひ大型公共事業の見直し、または中止というような英断を知事に強く要望したいと思っております。  もう一つ、今度は経営管理部長に予算編成の手法についてお伺いをいたします。知事は、「選択と集中」ということを今回ずっとおっしゃっていますが、むしろ「取捨選択」ということではないのかなと思っております。思い切ってやめたり、当面は見送るというような考えももっと入れていくことが必要ではないかと思っております。  民意で誕生した新政権におきましては、各省庁に対しまして、優先順位の低い事業を挙げる指示を出しておりまして、不要不急のものは省くという方針でございます。県においても、このような発想の転換が必要ではないかと考えますが、経営管理部長に見解をお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 鈴木経営管理部長。 ◎鈴木 経営管理部長 予算手法についてでありますが、県はこれまでも事業の選択と集中を図りまして、その中で活用可能な国の補助金等があれば積極的に導入してまいるというようなことで対応してまいりました。また、今回のとちぎ未来開拓プログラムの試案の策定に当たりましても、改めてゼロベースということで、聖域なく事業の見直しを図ったところでございます。  国においては、平成22年度予算編成の方針が示されましたが、そういう場合には国と地方の協議の場が設けられるということでありますので、そういった場を通じて地方の意見を十分に酌み取っていただけるようお願いしたいと思います。その上で、県といたしましては、引き続き事業の選択と集中に努めまして、県民益の最大化につながるような予算編成を行ってまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 山田委員。 ◆山田美也子 委員 わかりました。  そういうことで、とにかく何が一番県にとって必要かというところで編成をしていっていただきたいと思います。  それから、これは一つの事例なのですが、この秋のフランス・ヴォークリューズ県の訪問なのですが、国際交流と今回の訪問の意義については、本当に十分に理解をしているところなのです。そしてまた尊敬するところなのですが、・・・・・・・(略)・・・・・・・これは県民目線での優先順位を考えた判断だと思います。  とちぎ未来開拓プログラムにも関連しますが、これからはやはりあれもこれもではなくて、あれかこれかという考えで、各部局長も予算要求の部局長ではなくて、予算査定の部局長という形で頑張っていっていただきたいと思いますし、しっかり取捨選択をしていっていただきたいと思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いしたいと思います。  続きまして、次の質問に入らせていただきます。  消費者行政の機能強化について伺います。  ことし9月1日、複雑・多様化する消費者問題に対しまして、消費者行政を抜本的に強化するため、国において消費者庁が発足をいたしました。  本県の補正予算においては、県及び市町の消費生活センターの相談窓口の強化、消費者被害の未然防止、悪質業者に対する指導強化などを目的に編成されました。特に、今回の補正予算におきましては、相談体制の強化に重点が置かれております。  本県の消費生活センターの実態は、相談員に相談業務がゆだねられておりますが、窓口だけでは解決処理が難しいものが多く、これらについては職員及び相談員の専門性の向上とあわせて、市町または関係機関、庁内各部との連携等、相談後のフォロー体制を県全体として構築する必要があると思います。特に、今後、消費者行政部門の職員の増員であるとか、福祉、建築、IT、金融商品の分野のように、職員の専門性の確保、またメーカー等に対する指導監視に関する専門性を持った職員の育成と人事配置が必要かと考えますが、県民生活部長に考えをお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 荒川県民生活部長。 ◎荒川 県民生活部長 県では、消費生活センターへの多様な相談内容に対応するため、県及び市町村の相談員や窓口担当職員に対してさまざまな研修の機会を提供し、スキルの向上を図っておりますほか、法律等の専門家との連携体制の整備に努めております。  また、近年の食品問題や悪質商法等に対して的確かつ迅速な対応を図るため、食品に関する技術職員や県警OB職員を含む事業者指導チームの設置など、体制の整備を行っております。  さらに、今年度から、いわゆる誇大広告や過大な景品提供等による誘客を規制する景品表示法の所管を、消費生活センターから本庁に移管し、庁内関係部局との連携体制の迅速化を図ったところであります。  今後とも、職員の育成と専門性の向上に努めるとともに、庁内はもとより、消費者庁を初め、市町村や警察など関係機関との密接な情報交換を一層進めながら、消費者行政を総合的に推進し、県民の消費生活の安全・安心の確保に努めてまいります。 ○渡辺渡 委員長 山田委員。 ◆山田美也子 委員 9月1日に消費者庁ができたということで、国もこの消費者行政には力を入れているということでございます。また、今、県も専門家との連携であるとか、技術職員の養成などに力を入れるということでございますので、まさしく今回のこの消費者庁の発足と、この県補正予算というのは、本当に一致すると思うのですが、県民生活部長に再質問させていただきます。  今回、県の補正予算は、相談窓口の充実というところに重点を置いておりますが、きょうの新聞報道にもありましたように、県の消費生活センターの相談員が、昨年4月から1名欠員のままであるということでございます。今回の重点項目なのですが、この相談の内容が非常に深刻で重要なだけに、相談員の専門性と、そしてさらにこの相談員の身分の保障の問題があります。今、非常勤という形でやっておりまして、単年度の契約で5年間、最長では特例で10年という形で、単年度ごとの雇用になっております。そうしますと、これだけの重い役割を担う相談員の立場ということが、やはりこれからは待遇の改善というのですか、そういったところもますます重要になってくるのではないかなと思います。質の向上もさることながら、これは消費生活センターの相談員だけではなくて、すべての相談員にもかかわってくるのではないかなと思うのですが、そういった相談員の位置づけというものも、やはりこれから考えていかなければならないのではないかなと思いますが、その点について再質問でございます。 ○渡辺渡 委員長 荒川県民生活部長。 ◎荒川 県民生活部長 ご指摘のとおり、現在、県の相談員、定員7名に対して6名ということで、1名が不補充ということでございます。鋭意募集に努めておりますが、なかなか資格を有する方がいらっしゃらないという状況でございます。  それで、その相談員の待遇につきましては、現在、栃木県では、嘱託3年目までの方、4年、5年の方、それから6年以上の方という三つのランクづけをしておりまして、3年目までは15万9,650円、4年目、5年目は16万6,250円、6年目からは17万2,350円という賃金設定を行っております。これは、全国的に見ますとむしろ高い方に属するのではないかと思っておりますが、ご指摘のありましたとおり、雇用を単年度で更新していくということで、週30時間の非常勤の扱いでございますので、この点については全国的に対応をどうするかというのが大きな課題になっていると我々も承知をしております。この点につきましては、消費者庁及び消費者委員会設置法の附則の4で、「法施行後3年以内に、消費生活相談員の待遇の改善等に対して国が行う支援のあり方について所要の法改正を含む全般的な検討を加え、必要な措置を講ずるものとする」という旨の規定がなされておりますし、さらに衆議院の消費者問題特別委員会では、消費者庁関連3法の採決に当たりまして、相談員制度のあり方について「正規職員化を含め、雇用の安定を促進するための必要な措置を早急に講じること」との内容を含む附帯決議がなされておりますので、これらの附則ないし附帯決議に沿って、国がとるであろう対策を十分見きわめまして、検討して適切に対応していきたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 山田委員。 ◆山田美也子 委員 今の答弁の中で、国が正規職員化ということも出しているということでございますので、やはり現場で何が必要か、どんなことがやはり一番県民にとって必要かということを考えますと、これはまさしく県と国の協議の場のところでしっかりと対策を練っていただきたいと思っている次第でございます。  それと一般質問で五十嵐議員も質問されましたが、現在パルティに消費生活センターがありまして、それで県の担当課はくらし安全安心課で仕事を担っているわけでございますが、その機能をやはり一つに一元化することは非常に有意義ではないかなと思っております。多くの県民が足を運ぶ開かれた県庁を目指していて、連日多くの県民が足を運んでいる県庁でございますので、できればこの消費生活センター、パルティにあるところを2階の県民プラザ室のあたりに持ってきていただいて、そして担当課と相談窓口のセンターを一体化することが、やはりこれからは求められるのではないかなと思います。そしてまた、さらに警察であるとか、市町であるとか、関係機関との連携もさらにしやすくするということを考えますが、このような今回の消費者行政の充実を図るということを考えまして、この場所の一元化ということの検討をしていただけるかどうか、お伺いしたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 荒川県民生活部長。 ◎荒川 県民生活部長 県民からの相談内容がますます多様化、複雑化する中で、窓口対応には主に二つの点が求められていると考えています。一点目は、当然ですが、親切でわかりやすい対応、二つ目は、正確かつ迅速な対応であります。これらの要請にこたえていくためには、研修等による相談員の資質アップだけではなくて、やはり組織の充実と効率化が必要だと考えておりまして、現在までもこれに取り組んできております。  今年度は、消費者指導の担当者を従来の4名から7名に増員をいたしまして、先ほど申し上げましたが、事業所指導チームとして立ち上げましたほか、景品表示法の所管を本庁に移して連携体制の迅速化を図るというような対応をしております。  今後は、市町村等との情報交換の一層の緊密化ということ、それから統一的な情報処理による消費者庁への円滑な通報といったことが課題になっておりますので、他県の状況なども参考にしながら、より効率的な組織のあり方について、ご提言のことも含めまして引き続き検討してまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 山田委員。 ◆山田美也子 委員 それでは、とにかく効率いい運営に努めていっていただきたいと思います。  それと相談員と専門職ですが、その職員化といったところが非常にネックになるのですが、人事という形で大体4年から5年ぐらいで異動されてしまいます。そういった「専門」というところで、ある程度長い期間そこにいられる制度にこれからはしていく、専門職ということでやっていかなければ効率が上がっていかないのではないかなと思いますが、そういったことは可能なのでしょうか。 ○渡辺渡 委員長 荒川県民生活部長。 ◎荒川 県民生活部長 私どもとしては、相談員の専門化ということに加えまして、窓口職員の資質向上という側面から、さまざまな研修の機会を提供しているということで、現在の基金を使っての事業計画の中では、平成23年度までに現在いる相談員、市町村を含めた相談員、それから窓口担当職員の全員に対して、何らかの研修の機会を設けて研修を受けてもらおうということを考えております。  それから、確かに県の職員につきましては人事異動ということがあるわけですが、そういった個々の職員の持っているスキルというようなことも勘案しながら、人事に努めていきたいと思っておりますが、なかなか難しい面があるということについてもご理解をいただきたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 山田委員。 ◆山田美也子 委員 内容は十分にわかりました。  機能を高めるということによりまして、これから消費者行政を充実するためには、警察、市町村、関係機関との連携がよりしやすくなるということが、これから消費者にとってのメリットだと思いますので、ぜひ消費者行政に対してもよろしくお願いしたいと思います。  今、経済的な混乱と政治的な混乱が同時に起きている中で、やはり地域主権のもと、県も自立していかなければならないと思います。本当に大変な時期ではございますが、だれもが経験したことのないこのような機会をしっかりと見据えながら、窮地を立て直して邁進していくには、議会もしっかりとしていかなければならないと思っております。今後ともどうぞ頑張っていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  以上で質問を終了させていただきます。 ○渡辺渡 委員長 以上で山田美也子委員の質疑は終了をいたしました。  次の発言通告者に対し、発言を許します。  山口恒夫委員。 ◆山口恒夫 委員 公明党・新政クラブ議員会の山口恒夫でございます。  まず、私からは、質問を行う前に、今回上程されました第1号議案の一般会計補正予算案について、一言要望を申し上げます。  この補正予算案には、我が国が直面している未曾有の経済危機を克服するために、国が補正予算として用意した、総額14兆円を超える数々の事業に呼応した事業が提案されております。例えば、地域医療再生のための地域医療再生基金の創設、または既に設置された安心こども基金への積み増しなどの計13の基金積立事業や、それらの基金の取り崩し事業があります。それに加え、経済危機対策にあわせた地球温暖化対策、少子高齢化への対応、安全・安心の実現、その他将来に向けた、地域の実情に応じた地域活性化等を図る目的で交付されます地域活性化・経済危機対策臨時交付金や、公共事業施設費の地方負担の軽減を図る目的で交付されます地域活性化・公共投資臨時交付金を活用する事業など、総額729億円余の事業が盛り込まれております。  本県を初め各地方自治体は、当該基金や交付金などの活用を前提に経済危機対策に資する事業を計画し、補正予算案の議決と事業の執行を目指して準備しているところであります。万一、関係事業を中止せざるを得ない事態になれば、地方自治の混乱を招くだけでなく、戦後最悪の失業率であります地方雇用情勢にも深刻な打撃を与え、経済対策の効果によって景気底入れから成長に転じる兆しの出てきた日本経済に、悪影響を及ぼしかねないおそれがあります。  国に対し、県当局からは、これら地方自治体の進めてきた施策や事業について、財源問題で執行に支障のないよう働きかけをしていただくよう強く要望いたします。  それでは、質問に入らせていただきます。  基金事業のうち、地域自殺対策緊急強化基金による自殺対策について、お伺いをいたします。  去る9月10日から16日までは自殺予防週間となっており、9月5日には、とちぎ健康の森にて栃木県自殺対策連絡協議会、宇都宮市、財団法人栃木県精神衛生協会の共催で、第一回自殺対策講演会が開催され、私も参加をさせていただきました。  本県の自殺者数は、平成9年までは300から400人台でしたが、平成10年に対前年25%を超える伸びを示して以降、500人を超える状態が続いております。全国も同様で、それまでの年間2万人台から平成10年より3万人台と、対前年35%の伸びを記録しました。  自殺というのは、残されたご家族や周囲の方々に、はかり知れない深い悲しみをもたらすだけではなく、社会全体にとっても大きな損失であると考えます。ですからこそ、自殺対策は、自殺を個人的な問題としてのみとらえるのではなく、その背後に社会的な要因があることをしっかり認識し、社会的な取り組みとして実施されなければと考えます。  また、国、地方公共団体、医療機関、事業主、学校、自殺防止等に関する活動を行う民間の団体、その他の関係するものの相互の密接な連携が重要であると考えます。実はこのことは、平成18年10月に施行されました、自殺対策基本法の基本理念に示されております。  そこで、本県として、自殺対策を今までどのように行ってこられたのか、また今まで行ってきた対策にもかかわらず自殺者が減らなかったことを踏まえ、今回創設される地域自殺対策緊急強化基金によって、どのような対策強化を図ろうとしているのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 北澤保健福祉部長。 ◎北澤 保健福祉部長 県では、自殺対策基本法の施行以来、関係機関・団体等によります栃木県自殺対策連絡協議会の設置を初めといたしまして、相談支援体制の充実や普及啓発活動の実施、人材の育成など、さまざまな対策を実施してまいりましたが、残念ながら県内の自殺の状況はいまだ深刻な事態が続いております。  このため、今回の基金事業を活用いたしまして、弁護士等による多重債務などの相談と心の健康相談をあわせて行うなど、相談支援体制の充実を図ってまいります。あわせて、テレビ・ラジオでのCM放送など普及啓発事業の重点的実施に加えまして、地域レベルでの関係機関・民間団体等によるきめ細かなネットワークづくり、市町村が実施する自殺対策への財政支援など、新たな強化策に取り組んでいくこととしたところであります。  今後とも、市町村や関係機関・団体等と密接に連携を図り、先進事例も参考にしながら、自殺対策を粘り強く実施してまいります。 ○渡辺渡 委員長 山口委員。 ◆山口恒夫 委員 再質問をいたしたいと思います。  自殺対策というテーマで質問させてもらいましたが、実は数的にはそう多くないのですが、10代の若者の自殺も問題になっております。  そこで、教育長に再質問したいと思うのですが、教育委員会として、今まで特に10代の若者に対する自殺対策、あるいは学校でのいじめ、不登校、こういったものに対する相談体制をどのようにされていらっしゃったのか、再質問をしたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 須藤教育長。 ◎須藤 教育長 いじめないしは、今委員がおっしゃった内容についての指導ですが、教育委員会、つまり学校教育の中でやってきた指導というのは、大きく三つにまとめることができると思っております。一つは、学校で小動物を飼う、または自然体験をする、特別活動の行事の中で友達と一緒に汗をかく、そういう活動を通して感性を養う、生きること、または友と一緒にいること。二つ目は、道徳のさまざまな価値観を高めてやる。そして、その中で生命尊重、他人への尊重、そういうものを価値的な部分として学んでいく。三つ目としましては、いじめについての早期発見であるとか、または自殺につきましてはリストカット、そういったものについての早期発見、または教育相談の充実、そんなことを学校教育の中では進めてきているところでございます。  しかし、これからの社会を考えたときには、ますますグローバル化されていく。そういう世の中では、一人一人の人間が個別化、孤立化をしていくということが予想されるわけでございます。したがいまして、一人一人の価値観にゆだねられた行動ということをさらに一歩進めまして、人としてやってはいけないこと、そういうことについてもしっかり学校教育の中で取り組んでいく必要性があると思っております。 ○渡辺渡 委員長 山口委員。 ◆山口恒夫 委員 保健福祉部長と教育長からご答弁いただきました。  今、自殺者はですね、先ほど平成10年で急増したということをお話ししましたが、実際には最近のデータでも、栃木県は、平成20年の数が過去最悪であったわけです。591名。そしてさらに本年は、8月が最新のデータですが、昨年よりもさらに悪くなっている。38人増の既に411名であり、過去最悪を更新すると予想されております。  先ほど梶委員から若干お話がございました自殺対策推進本部の設置や、県内関係機関や団体、これら43からなる自殺対策連絡協議会、そこの中で官民一体となって、協力体制あるいは相互相談体制をされていると思うのですが、なかなかその効果が、この現実の自殺者数を減少する効果にはなっていないと私は思っております。これは、栃木県ばかりではなくて、実は全国的にも主だった対策は一生懸命やっていらっしゃるのですが、現実的に少なくなっていない。  そこで、日本を離れて世界を見てみますと、やはり日本というのは自殺大国になりつつあるというのですか、14番目だか13番目だと思います。東ヨーロッパが多いのですが、本当にその自殺を検証するといろいろな原因があってですね、一様にこれだとは言えないわけでございまして、ただ日本で一番多いと言われているのが健康問題、健康に対しての自殺志向というのが、栃木県も同じで7割ぐらいのシェアを占めているということで、特に全国では秋田県が、その対策を一生懸命やっている。この間シンポジウムをやられたのは、その秋田県の方を連れてこられてやられた例なのですが、先ほど栃木いのちの電話というのがありましたが、私は、もっと民間を徹底的に活用していただければと思っております。  このいのちの電話も、実際に行って、そこでご意見を伺ってきました。宇都宮のいのちの電話は、今、毎日50件の相談を受けていらっしゃいます。年間1万7,000件でございます。それで、全部が今すぐ死んでしまうという相談ではなくて、大体10%ぐらいでありますが、そういうことで、より多くの相談窓口を設置されることによりまして、非常にその相互関係、相互の連携体制が難しくなってくると思うのですが、とにかく先ほど言いました県民総ぐるみ……。 ○渡辺渡 委員長 山口委員、時間が3分を切りますと、次の質問に入れませんので。 ◆山口恒夫 委員 わかりました、ありがとうございます。  県民総ぐるみ、あるいは全庁挙げての体制を、さらに強化をしていただきたいと思っております。  それから、自殺の対応ではなくて、今後は将来の生きがい対策も含めて、ぜひお願いをしたいと思います。  それでは、次の質問に入らせていただきたいと思います。  次に、女性特有のがん検診についてお伺いいたします。  私は、本年6月の予算特別委員会の総括質疑において、女性の健康支援対策についてお伺いいたしました。死亡原因の第1位であるがん対策には、検診の充実や早期発見・早期治療が重要であり、健康長寿立県を目指す本県の最大の取り組み課題であると考えております。  一方、乳がん、子宮頸がんの日本人の検診受診率は、検診実施データを公表しているOECD加盟国中最下位であり、国は平成24年までに受診率50%以上の目標を設定し、対策を強化しております。その具体策として、無料クーポン券や手帳の発行などの、市町村向けの環境整備を国は促進しております。  そこで、女性特有のがん検診に関して、市町村が行う無料クーポン券や手帳の配付状況について、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 北澤保健福祉部長。 ◎北澤 保健福祉部長 女性特有のがん検診の推進事業につきましては、国の経済危機対策の一環といたしまして今年度新設されたものでございまして、県内すべての市や町で補正予算の措置を初め、事業の実施に向けた準備が鋭意進められているところであります。  これまでに、27の市町が、無料クーポン券や検診手帳等の配付を終えておりまして、年内には残りすべての市や町で配付が終了する予定になっております。  また、それぞれの市や町では、多くの女性が受診できるよう検診日をふやすなど、独自の工夫を凝らしているところもありまして、県といたしましても、ピンクリボン運動などの啓発イベントや県のホームページで紹介するなど、さまざまな機会をとらえて本事業の周知に努めているところであります。  今後とも、市町村や関係機関等と連携しながら、対象者の利便性に考慮した取り組みを促進し、検診受診率の向上を図ってまいります。 ○渡辺渡 委員長 山口委員。 ◆山口恒夫 委員 すみません、時間がなくなりましたので、最後に若干要望させていただきたいと思います。  この女性特有のがんにはですね、先ほど取り上げました子宮頸がん、乳がんというのがあるわけですが、この子宮頸がんは、いよいよ国としてワクチンがことしじゅうに承認をされる予定であるということも報道されております。特に子宮頸がんの場合は若い方が亡くなる、年間2,500人の方が亡くなっていらっしゃるということで、検診も大事だし、今回承認されるワクチンによって早期発見・早期治療、さらにこのワクチン接種によっても予防できる唯一のがんであるということで、脚光を浴びているわけですが、このワクチン接種につきましても、それを受けられないという経済的な問題のある方もありますので、その補助も含めて、ぜひ県としてもご検討いただければと思っております。  以上で、私からの質問を終了したいと思います。
    ○渡辺渡 委員長 以上で山口恒夫委員の質疑は終了いたしました。  この際、申し上げます。  佐藤委員の質疑時間に、3分間の残余時間が生じました。この残余時間につきましては、同一会派の本日の最終登壇者である斉藤具秀委員に質疑時間の加算をいたしますので、ご了承を願います。  この際、休憩をいたしたいと存じます。  午後1時15分から再開をいたします。  休憩をいたします。                   午後0時15分休憩           ────────────────────                   午後1時15分再開 ○渡辺渡 委員長 委員会を再開をいたします。  引き続き、総括質疑を行います。  発言通告者に対し、発言を許します。  小林幹夫委員。 ○渡辺渡 委員長 小林委員。 ◆小林幹夫 委員 自民党議員会の小林幹夫でございます。  私は、医療に従事する議員として、今回9月に上程をされました補正予算の中で、特に医療にまつわる予算関係の質問を2件通告をしておりますものですから、その件に関して質問をさせていただきたいと思います。  まず最初に、新型インフルエンザの問題であります。この問題につきましては、きょうの質疑の中でも何回か言葉が出ておりますが、そして今議会でも同僚議員の何人かからインフルエンザに対する質問があり、重症患者の入院医療体制や、医療関係者の協力によって、そういう体制は整いつつあるという答弁がありました。そして、今回の補正予算の中には、急性期の患者さんの人工呼吸器の整備に対する予算が計上されております。  しかし、県民の健康被害を最小限に抑えるためには、これらの対策とあわせて感染防止対策や重症化防止対策が講じられなければなりません。もともとインフルエンザというのは、これは鳥類に端を発したウイルス性の疾患でありまして、鴨から鶏にきて、鶏から豚という話もありますが、特にこの鶏の鳥インフルエンザというのが非常に強い毒性があって、昨年はその鳥インフルエンザが発症をして、鳥インフルエンザの対策を何としてもやらなければという形で、世界の中でそういう対策が起きていましたが、ことしになって突然豚インフルエンザになったということで、多分その対応がおくれたことで今回の新型インフルエンザの感染に対する問題が提起をされているのではないかと思っています。  特に、重症化対策の中でも、最も効果的と言われているワクチンの接種については、県民の関心も最も高いところであります。中でも、重症化をしやすいとされている基礎疾患を持っている方は、一日も早い接種というものを望んでいると思います。  国は、10月下旬からワクチンの接種を開始するとして、接種の優先順位を初め、実施方針の大枠を示しましたが、10月に入っても、県民はいつ、どこに行けば接種が可能なのか皆目わからない状態であります。今回のワクチン接種は、ワクチンの量に限りがあることから、異例ではありますが、国が事業主体となって進めることとなっておりますが、接種のスケジュール設定や、接種を行う医療機関の選定、県民への周知などに関しましては、県がリーダーシップを発揮すべきと私は考えております。  そこで、現時点での、基礎疾患を有する方々の把握、医療機関の選定にまつわる作業の進捗状況、また今後の接種スケジュールの見込みについて、保健福祉部長にお伺いをしたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 北澤保健福祉部長。 ◎北澤 保健福祉部長 新型インフルエンザ患者の重症化防止等を目的といたしましたワクチン接種に関する基本方針につきましては、このほど決定されまして、今月2日に開催されました国の説明会で示されたところであります。  これによりまして、ワクチン接種を行う医療機関は、郡市医師会が取りまとめること、また優先接種の対象となる基礎疾患を有する方は、国が示した定義に合致する患者を各医療機関が把握することなど、詳細が明らかとなったところでございます。  県では、早速本日から、関係先への協力要請を正式に開始いたしますとともに、市町村や医師会等と連携いたしまして、10月下旬からの新型インフルエンザ診療に従事する医師等への接種を皮切りといたしまして、その後妊婦や基礎疾患を有する方等への接種を順次開始できますよう、鋭意作業を進めてまいります。  今後、準備が整い次第、ワクチン接種を行う医療機関や接種スケジュールなどの情報につきまして、ホームページや各種広報紙などを活用いたしまして、県民にきめ細かく周知をしてまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 小林委員。 ◆小林幹夫 委員 部長から、今、ワクチン接種についてのスケジュールの発表がありました。きょうから早速やるということで、一日も早く接種の準備に入っていただきたいのですが、こういうワクチンとか薬の投与になると必ず問題になってくるのは、副作用の問題が出てくる点です。今回、国では、この副作用の問題が生じたときには、いろいろ国がその責任を負うような立法措置が講じられるということが発表されておりますが、やはり具体的には県がその職務を代行しなければならないと思うのです。そういうワクチン接種が県内で行われて、そのときに副作用の症状が出た場合の対応について、保健福祉部長にお伺いしたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 北澤保健福祉部長。 ◎北澤 保健福祉部長 ワクチン接種の副作用に関するものでございますが、通常予防接種法に基づく接種ということであれば、その予防接種法に基づいて副作用の措置がとられるということですが、今般の新型インフルエンザにつきましては、現在その予防接種法に基づくものになっていないといったことがございますので、今後この件につきましては、国を中心に、その取り扱いについては精査・検討されるということになろうと思います。  県といたしましては、そういったことに適時的確に対応できるように、対応してまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 小林委員。 ◆小林幹夫 委員 ですから県民の皆さんは、その副作用というものについて結構敏感になると思うのですね。今まで、いろいろなワクチンの接種の中で副作用が出てきたわけですから、県としてそういう対応は、柔軟に対応ができるということを申し添えていただければ、県民は安心すると思います。  そして、今部長から発表になりました国の指針に従って、ワクチンの接種の優先順位に基づいて接種をするということで、大体1月の下旬まで、そのワクチン接種の優先順位に基づいて、ワクチンが接種をされていくと思いますが、その優先順位に漏れた方々がたくさんいるのですね。例えば、インフルエンザの治療に従事しない医療関係者、特に私ども歯科医師は、口等に一番近い位置におるものですから、そういう医療従事者の方々の感染防止というと、やはりワクチンの接種も必要だと思うのですね。ですから、そういう点もぜひ、そのほかサービス産業で人と多く接する方々も、やはりワクチンの接種というのは多分強い要望が出てくると思いますから、まだ先の話はわかりませんが、できるだけ早くに、ワクチンの接種がそういう方々にもできるように、ご配慮をいただきたいと思います。  そして、あともう一つ必要なのは、早期の鑑別診断が、要するに季節型のインフルエンザと新型インフルエンザの鑑別診断が、今4~5時間かかっています。情報によると、東京都と東京の検査のメーカーが開発をした機械によりますと、大体30分ぐらいで鑑別ができる装置が開発されたと聞きますから、もし、県も予算が大変かもしれませんが、そういう機器が導入されるのであれば、ぜひ早期に導入をして、インフルエンザの鑑別診断が早期にできるということも、やはり対策の中の重要な部分と思いますから、要望としてお願いしたいと思います。  次に、県民の健康の問題について、質問をさせていただきたいと思います。  今回の補正予算の中に、地域医療再生に関する基金が上程をされております。これは、救急医療体制の確保や医師の確保などによる、地域医療の再生を目的としたものであります。私は、県民の健康にとって必要なものは、こういった医療機関側の体制の整備とともに、特定疾患等に対する健康管理が重要であると考えております。今回の補正予算が必ず実行されて、そして地域医療が確立されるということは大変県民にとってはいいことでありまして、そういうハード面の整備とあわせて、私はソフト面の整備というものも必要だと思っております。  午前中の質問で、花塚委員からも、次期総合計画の策定に対する県民アンケートの中で、やはり県民の最大の関心事項は安心・良質な医療を提供してほしいということが、県民からの第1位の要望でありまして、これはさかのぼってみますと、その前の総合計画の策定のときのアンケートでも、同じように第1位が安心・安全な良質な医療ということでありました。  その中で、やはり住みよい県の条件ということも考えていきますと、やはり教育の問題や環境の問題も確かに重要かもしれませんが、やはりこの高齢化社会が進んだ中で、医療環境の充実と健康問題というのは、私は大きなウエイトを占めていくものではないかと思っています。  つい先ごろ、県別の100歳以上の方々の人口が発表になりました。これは、さまざまなバロメーターになると思いますが、100歳以上の方が多い県というのは、やはり長寿で長生きの県だということで、その県のイメージというのは上がるのかなと私も考えますが、その中で私は県民の平均寿命ということが、問題になってくるのではないかと思っております。  栃木県は、過去20年にわたりこの平均寿命の問題について、いろいろな角度からアプローチをして、いろいろな努力を払ってきたのは、私はよく存じ上げております。けれど、依然として県民の平均寿命は、特に女性の平均寿命は全国ワーストの常に上位にあるわけであります。  そういう中で、特に虚血性の心疾患、それから脳血管疾患の女性の死亡率というのは、平成17年度は両方とも全国でワースト1位にあるわけであります。この二つの疾患が占める割合というのは、日本人の死亡率の約4割に相当するわけであります。この二つの疾患については、これまで県が行ってきた減塩運動を中心に対策を講じてまいりましたが、その対策が結局は、多少は効果があったのでしょうが、現実的に平均寿命が、女性の平均寿命が特にですね、いつも最下位前後にいるということは、その努力がなかなか報われなかったかなと私は理解をしています。ならば、この二つの疾患について早急に、他の対策を講じる必要があるのではないかと思います。  その一つとしては、近年メタボリック症候群と、この二つの疾患が非常に関連性があるということが確認されて、歯科医師会や医師会との連携の中でその作業が進められておりますが、近年わかってきたことは、この二つの疾患が血管障害によって発病しているというシステムがわかりました。そして、その発病に歯周病菌が絡んでいるということが学会で発表されました。ですから、今まで県が非常に一生懸命減塩運動を中心に、この虚血性の心疾患と脳疾患についてはいろいろな対策を講じてきましたが、発表があった歯周病菌がこの血管障害を生じさせるということについて、ぜひ着目をしていただきたいと思います。  それで、その歯周病菌によって、アテロームプラークが血管の中に蓄積をします。血管の中に、そのアテロームプラークが蓄積をしますと、これが血栓腫をつくります。それで血管が詰まって、そこで脳疾患と心疾患を起こすということが、これはもう解明をされています。ですから、この多くの症例をもとに証明をされたこのアテロームプラークの除去というのが、すなわち歯周病の予防対策が、私はひょっとすると本県の課題になってくるのではないかと理解をしています。そして、この歯周病対策が功を奏すれば、心疾患と脳疾患が減って、平均寿命も伸びてくると私は考えておりますし、そういう研究事例というのをぜひ参考にしていただきたいと思っています。  そして、歯周病患者が致命的な心臓発作を引き起こす確率は、健常者の約2.8倍あるというデータもあります。そのほか、がんを高めるというリスクも報告をされています。そして、医療費の問題に転ずると、山梨県や香川県の高齢者における歯の健康と生活習慣病に関する医療費の研究報告によれば、残存歯数、残っている歯の数が多いほど医療費は少なくて済むという結果も出ております。そして、歯の数の減少により、生活習慣病は悪化の傾向にあるということも証明をされているわけでありますから、これらの結果から、歯の保存を図って、歯科予防医学を政策的に導入すべきであると私は考えておりますが、その点について県の見解をお伺いしたいと思います。  そして、生活習慣病をコントロールするには、医科と歯科の連携が必要であるとも考えられています。口腔衛生と生活習慣病には密接な関係が認められているわけでありますから、県はより多くの県民が歯周病検診を受けるような施策も一層積極的に講ずるべきと考えますが、保健福祉部長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 北澤保健福祉部長。 ◎北澤 保健福祉部長 歯周疾患の予防、あるいは早期治療等により口腔機能を維持することは、脳血管疾患を初めといたしまして、全身疾患の予防の観点からも大変重要でございます。  このため、県では、市町村や県歯科医師会等と連携いたしまして、歯周疾患検診の受診率の向上に向け、検診内容などをわかりやすくまとめたパンフレットを作成いたしまして、受診の勧奨に努めますとともに、「お口の健康は全身の健康へのパスポート」と題しましたリーフレットを作成、配布いたしまして、口腔衛生の重要性や、かかりつけ歯科医を持つことの大切さなどにつきまして、啓発をしているところであります。  さらに、今年度は、検診の受診が困難な要介護高齢者等に対しましても、口腔ケア実践マニュアルを作成いたしまして、研修会を通して介護職員等に口腔ケアの必要性や実践方法を周知してまいります。  今後とも、こうしたさまざまな取り組みを粘り強く続けることによりまして、歯周疾患検診の受診を促進いたしまして、県民の口腔衛生の向上に努めてまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 小林委員。 ◆小林幹夫 委員 先ほども申し上げましたように、本当に本県の特に女性の平均寿命というのが、ずっとこの20年間全国ワースト1位、またはワースト3位の間を行き来しているという問題は、やはり県のイメージアップも含めていくと、私は大きな問題になると思うのです。健康で健やかに長生きができる県というのは、やはり住みよい県の大きな要素を占めるわけでありますから、そういう観点から考えると、やはり県が今まで考えてきた、要するにその心疾患に対する、または脳疾患に対する対策、減塩運動も確かに有効かもしれませんが、視点を変えた対策というのが重要であるということを私は言いたかったわけでありまして、部を挙げて、いろいろなパンフレット等をつくっていただいて、県民に啓蒙・啓発をしていただくことは大変ありがたいわけでありますが、そういう計画を進めていく上では、やはり基本計画というものが私は必要だと思います。  本当の先進県では地域の各福祉センターごとに、そういう歯科保健計画が立案されている県もございます。また、そういう福祉センターに歯科医師、歯科衛生士を配置しながら、歯科保健について実行をしている県もあるわけでありますから、できれば栃木県は、その平均値までいけばいいということではなくて、先ほど申し上げましたように、平均寿命を何としても長くするためには、何か今までと違った施策をとらなければ、栃木県の方々の平均寿命がなかなか全国平均までいかない。今までやっていたことではだめだと視点を変えて、いろいろな事例があった中で、こういう歯周病にかかわる視点から、この県民の寿命の問題を考えたらいかがかなと思いますが、歯科保健計画について、保健福祉部長にお伺いしたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 北澤保健福祉部長。 ◎北澤 保健福祉部長 歯科保健計画の件でございますが、ちょっと古いデータですが、確かに平成19年の兵庫県の実態調査でも、半分近くの県で、この計画が立てられているといったことも承知しております。  また、平均寿命を上げるために、この歯周疾患をきちんと対策に取り組むべきだといった件につきましては、先ほど申し上げた全身疾患と歯周疾患の関係を示したパンフレットの作成は、かなり全国的にも新しい視点での取り組み、先進的な取り組みだと自負をしております。  それを、いかに実効性を高めるかという観点につきましては、議員ご指摘の、この計画のあり方も含めまして、どのように歯周疾患の予防をしていくか、それから全身疾患の予防にどうつなげていくか、この件につきましては、今後ともさまざまな観点で積極的に検討してまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 小林委員。 ◆小林幹夫 委員 さまざまな取り組みを期待をしておりますが、栃木県の場合、確かに今財政が大変厳しいのですが、県の職員の中に歯科医師がいない県というのは、まず47都道府県の中で、あと1県か2県になってしまったと思います。  青山先生という、立派な先生が健康増進課に今おりますが、青山先生は、厚生労働省からの出向でありまして、正規な栃木県の職員ではありません。できれば、要望でありますが、栃木県もぜひ歯科医師を雇用していただいて、歯科保健の計画をぜひ立案をしていただいて、栃木県の平均寿命、栃木県民の健康を考えるという観点の中で、ぜひそういう点もご理解をいただきたいと思います。  それに関連して、あとは歯周病の問題、これは今の心臓疾患や脳疾患の問題もありますが、愛知県のがんセンターの研究所で今月論文が発表されましたが、歯を1日1回磨く人と、歯を2回磨く人では、がんになる傾向が約3割違うとのことです。要するに口の中を衛生的にするということがどれだけ重要かというのを、歯科の業界が発表すれば手前みそなのですが、これは全く違う愛知県のがんセンターが疫学的な研究のもとに、そういうデータも出されています。  ですから、栃木県というのは、歯科の検診機会が非常に少ない県なのですね。多分、19歳、高校を卒業してから40歳の節目検診の間、20年間はほとんどの方が歯科検診を受けないという状況であります。ですから、その20年間の間、一番歯周病にかかりやすい期間に歯科検診を受けていないというのは、この栃木県の特色でありまして、それによって心疾患や脳疾患の発病が多いというのも関連して考えることになりますから、ぜひ歯科保健計画を立案した上で、1人でも多くの県民の方々が歯科検診を受けられて、それによって歯周病が減って、さらには脳疾患と心臓疾患がなくなって、そして栃木県の平均寿命が伸びるということを、私どもは期待をしているわけであります。  ぜひ、そういう観点から、健康の問題というのは県のイメージアップの中でも本当に大きなウエイトを占める問題でありますから、健康で、健やかに長生きができる栃木県を目指す、そういう上で歯科医師会の方も全面的に協力をすることも約束をしておりますから、知事にもご理解いただいて、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  以上で私の質問を終わります。 ○渡辺渡 委員長 以上で小林幹夫委員の質疑は終了いたしました。  次の発言通告者に対し、発言を許します。  金子裕委員。 ◆金子裕 委員 自民党議員会の金子裕です。  それでは、質疑をさせていただきます。  まず初めに、新エネルギーの導入促進について、お伺いいたします。  鳩山首相は、先月22日、国連の気候変動サミットで温室効果ガスの削減目標を、平成32年までに、平成2年に比較して25%削減することを国際公約として表明し、新たに環境問題へ取り組む日本の姿勢を示しました。  私は、環境と経済は一体でリンクして推進すべきと考えております。そのためには、行政はもちろん、産業界や経済界、そして何といっても国民の協力なしには達成できないと思っております。  栃木県では、国の経済危機対策に呼応し、今回の補正予算において太陽光発電システムや高効率給湯器など、新エネルギーの導入促進に要する経費として5億9,824万円を計上しています。私は、この事業全体を一つのサイクルに当てはめて施策を考えるべきだと認識しています。なぜなら、社会が成熟化する中で、栃木県が持続的発展を遂げていくためには、環境に視点を置いた経済政策が最も重要であり、また今回の補正予算関連事業が経済対策として実施される以上、各事業間の相乗効果に重点を置き、経済を循環させるという視点が間違いなく必要であると考えております。  そこで、今回の補正予算において、経済効果をどのように見込んでいるのか、あえて環境森林部長にまずお伺いいたします。  また、補正予算において、一部の事業を計上している「とちぎ環境立県戦略」についてですが、県がどのような戦略を描こうとしているのか、このことについてはなかなか県民に伝わりにくいのではないかと危惧しています。  そこで、環境立県戦略の姿、ストーリーを、どのように県民に周知していくのか、その上で戦略から今度は戦術をどのように展開していくのか、あわせてお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 三浦環境森林部長。 ◎三浦 環境森林部長 まず、補正予算の経済効果についてでございますが、新エネルギー導入促進事業等におけます高効率給湯器とセットにいたしました太陽光発電や、県産出材を使用した木造住宅に対する支援、電気自動車の導入などは、低炭素社会の実現に向け今後推進すべき事業でありますとともに、本県の地域特性を生かした取り組みでございます。  これらの取り組みは、県内の温室効果ガスの削減につながるほか、今後の成長が期待される環境関連の産業や技術の振興に寄与するとともに、地域における建築、電気設備、小売等の関連産業への経済効果が期待できるものと考えております。  次に、「とちぎ環境立県戦略」の周知及び展開についてでありますが、戦略の目指す社会の実現のためには、県民が一丸となって地球温暖化対策に取り組むことが重要でございます。  このため、戦略が目指す10年後の「エコとちぎ」のイメージを具体的な数値で示すなど、県民にわかりやすい戦略となるよう努めておりますほか、12月5日に「とちぎ環境県民大会」を開催いたしまして、環境立県に向けた気運づくりを進めますとともに、リーフレットの配付やホームページ等の各種広報媒体の活用により、広く県民への周知に努めてまいる考えでございます。  また、今後県が策定いたしましす次期環境基本計画や地球温暖化対策地域推進計画に、戦略の目指す姿や理念等を反映させまして、「エコとちぎ」の実現のための各種施策を着実かつ計画的に推進してまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 金子委員。 ◆金子裕 委員 それでは、再質疑をさせていただきますが、先ほどの質疑の答弁の中にもありましたとおり、一般住宅向けの太陽光発電と高効率給湯器を併設した取り組みについては理解できます。関東地方1都6県内において先行した形となって、地球温暖化対策に取り組んでいる姿勢がうかがえるのではないかと思っております。  しかし、昨年度の太陽光発電導入件数は1,050件であるのに対して、高効率給湯器のうち、ヒートポンプだけでも年間1万100件の導入件数があり、太陽光発電の約10倍の導入率であります。  ここで、具体的にお伺いいたしますが、補正予算の中で県立高校への太陽光発電4億2,100万円、6校分を計上し、そして一般住宅向けに太陽光と給湯器の併設で1億2,500万円、1,000戸分計上していますが、経済効果や地球温暖化対策などを考えた場合、一般住宅向けの予算を増額して計画するのが最も適切ではなかったかと考えますが、環境森林部長にお伺いをいたします。  また、平成20年度の国土交通省の建築着工統計調査報告書によりますと、栃木県内の年間の新築着工戸数は1万8,169戸でありました。そして、改築・リフォーム件数は、平成17年の国勢調査をもとに算出をしますと、年間3万1,000戸になります。  このことから、とちぎ材エコ住宅緊急支援事業については、県産出材を60%使用した新築木造住宅への補助金として3,084万円、100戸分計上しておりますが、県内の住宅は新築よりもリフォーム件数が多いことから判断をしますと、県産材の補助金にはリフォーム住宅まで踏み込めなかったのか、あわせてお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 三浦環境森林部長。 ◎三浦 環境森林部長 まず、今回の太陽光発電システムに係る事業でございますが、これにつきましては規模の大きなもの、県立学校用のものでございますが、それから一般住宅用の小規模なものまで、太陽光発電システムの整備が図れるようにしたものでございます。  そのうち、一般住宅用太陽光発電システム等につきましては、最近の設置状況をもとに推計をいたしまして、今年度後半分という時間的なものも考慮をいたしまして、年度後半で1,000件という設定をしたものでございます。  今後、これらの設置状況の推移、それから財源を含めまして、国における対応状況等を見きわめながら、委員ご指摘の趣旨も踏まえまして、検討してまいりたいと考えております。  次に、リフォーム住宅についてでございますが、とちぎ材エコ住宅緊急支援事業につきましては、県産出材の需要拡大を図るという観点から、今回まずは木材使用量の多い新築住宅を対象としたところでございます。しかしながら、委員ご指摘のように、リフォーム等において県産材の利用を促進していくということも重要な観点でございますことから、壁とか床材など内装材への利用促進策につきましても、その対象をどうするか、あるいは内容的なものにつきまして、今後検討してまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 金子委員。 ◆金子裕 委員 まず、要望させていただきますが、新エネルギーの導入をすることは、単に地球温暖化対策ばかりではなく、そこには経済効果に連動し、電気やガス、設備、建築、内装など、そのすそ野が広がることが期待されます。そのことで、地域経済の活性化につながるわけであり、つまり、環境と経済を一体でリンク対応していくことが必要であります。  このことは今の答弁の中にもありましたので、この後十分にその認識を持っていただき、まず対応していただくことをご要望申し上げます。  そして、再々質疑に移ります。  冒頭述べたように、地球温暖化防止のための低炭素社会実現に向けて、県民や産業界・経済界の協力が不可欠であります。特に、エネルギー産業における民間のノウハウを最大限に活用した環境立県戦略などを、どのように位置づけていくのか、環境森林部長にお伺いいたします。  また、県民に対して、理解しやすい環境立県戦略をまとめるには、わかりやすい記述が必要であります。高効率給湯器は、ヒートポンプ方式などと具体的に記載して、再生可能なエネルギーの推進を図ることが必要であると考えますが、あわせてお伺いいたします。
    ○渡辺渡 委員長 三浦環境森林部長。 ◎三浦 環境森林部長 地球温暖化防止のためには、委員ご指摘のように、産業界あるいは経済界の協力が不可欠であると、このように考えております。県としましては、これまでもそういった産業界、経済界との連携を図りながら、各種の地域温暖化対策を推進してきたところでございます。  お尋ねの、エネルギー部門におけます民間のノウハウの活用につきましては、県内でも例えば農業用水を活用した小水力発電ですとか、温泉熱を利用したヒートポンプなど、民間による栃木県の地域特性を生かした創意工夫あふれる取り組みが行われております。こうした取り組みを、広く県内に波及させていくことが重要でございますことから、戦略の素案においても事例として紹介しているところでございます。  現在、戦略素案のパブリックコメントを実施しているところでございまして、委員ご指摘のわかりやすい表現等々につきましても、こういった意見を十分に踏まえながら、立県戦略をつくっていきたいと思っております。 ○渡辺渡 委員長 金子委員。 ◆金子裕 委員 要望いたしますが、エネルギー分野における技術革新は日進月歩、相当進んでおりますので、定期的な産業界との情報交換や意見交換を、まずもって強く要望します。  また、今回のエネルギー促進については、国の地域活性化・経済危機対策臨時交付金を活用していますが、今年度だけの交付金であります。したがいまして、今後、さらなる地球温暖化対策へ積極的に取り組む場合は、地域グリーンニューディール基金を活用していくことが最良の選択だと考えていますので、この点についても要望を申し上げます。  続きまして、次の質疑に移らせていただきます。  高校再編整備について、お伺いいたします。  県は、県立高校の再編計画において、佐野女子高校の平成23年度からの共学化を進めています。今回の補正予算において、講堂兼体育館の改築、柔剣道場の新築など、共学化に伴う整備に要する経費として5億9,958万円を計上しています。  私は、同校の共学化に伴い、教育環境の充実と魅力ある学校づくりを進めるためには、校舎を全面的に建てかえて、十分なグラウンドを確保することが必要であると考えております。  しかし、教育委員会では、先ほど述べたように、主要施設については9月の補正予算に計上し、前倒しして、平成22年度中に整備を完了させることで鋭意取り組んでいますが、平成22年度の夏に実施予定の「1日体験学習」や「学校説明会」など、中学生や保護者に対して、教育環境の整備・充実について具体的な説明や広報活動ができるのか疑問であります。  一方、共学化に当たっては、魅力づくりとして、男子の野球部やサッカー部の活動場所の確保は必要不可欠なものでありますが、佐野女子高校のグラウンドが狭わいであることから、別途第2グラウンドを確保することは喫緊の課題であると認識しております。地元3県議、青木副議長や島田県議と一緒になって、チーム佐野体制で教育委員会とヒアリングを重ねてまいりました。しかしながら、第2グラウンドの整備・確保については、いまだに具体的な説明を伺っておりません。  そこで、男子の部活を含めた共学化に伴う魅力づくりと第2グラウンドの整備についてどのように考えているのか、教育長にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 須藤教育長。 ◎須藤 教育長 佐野女子高校の共学化に当たっての魅力づくりのため、現在新校設立準備委員会等でご議論をいただきながら、教育活動の充実に向けた検討を進めているところでございます。  また、共学化に伴う施設整備につきましては、9月補正予算により講堂兼体育館の改築、柔剣道場の新築、テニスコートの移設整備を前倒しで行い、来年度当初予算では部室の新築や多目的学習室の整備を行い、開校前に完了させる予定でございます。  第2グラウンドの整備につきましては、男子の野球部やサッカー部の活動場所として、市の施設の利用も含めまして、さまざまな方策を検討しているところでございますので、どうぞご理解をいただければと思っております。  なお、学校説明会等におきましては、具体的に説明できるよう万全を期してまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 金子委員。 ◆金子裕 委員 再質疑を、知事にお伺いいたします。  先ほど述べたように、佐野女子高校の共学化に伴う魅力ある学校づくりを推進するためには、自前の第2グラウンドを確保することが必要不可欠であります。  知事は、かねてより、すべての活動の基本となる人づくりを政策の基本に並べていますが、私も政策を考える上で教育が基本、軸にあります。教育環境の充実は、未来につながる重要な投資であると同時に、私たちの重要な責任であると考えております。  そこで、自前の第2グラウンドの確保についてどのように考えているのか、知事にお伺いをいたします。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 佐野女子高校の共学化に当たりましては、同校の実績や伝統を引き継ぎ、生徒たちが勉強にも部活動にも精を出す魅力ある高校となるよう整備する必要があります。そのようなことから、厳しい財政状況下ではありますが、教育長から答弁がありましたように、講堂兼体育館の改築や柔剣道場の新築など体育施設の充実に向けて、できる限り配慮をしてきたところであります。  第2グラウンドの整備につきましての議員の思いは、十分理解いたしますが、佐野女子高校の共学後の部活動の状況等も踏まえる必要もあると考えておりますので、ご理解を賜りたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 金子委員。 ◆金子裕 委員 思いを要望にかえさえていただきますが、佐野市内の県立高校は、4校すべてが高校再編計画の対象になっております。そして、佐野高校が平成20年度から中高一貫教育を導入し、附属中学では女子の生徒も今学んでいます。そして、その生徒たちが、平成23年度に高校に進学すると同時に、佐野女子高校も男女共学になるわけであります。そうなりますと、佐野女子高校の平成23年度の共学化は、男女のバランスから言っても避けて通れないのが現実なわけであります。だから、ぜひ共学までに、魅力ある学校づくりのため第2グラウンドの整備・確保を実施していただきたいと、これは教育委員会と、そして財政当局にも強く要望いたします。  また、毎年学校から施設整備について要望があると思いますが、高校再編とあわせて、生徒たちの安全面からも十分な配慮をお願い申し上げます。ここでは細かい部分については触れませんが、この点、教育委員会と財政当局にお願いを申し上げて、私の質疑を終了させていただきます。 ○渡辺渡 委員長 以上で金子裕委員の質疑は終了いたしました。  次の発言通告者に対し、発言を許します。  中川幹雄委員。 ◆中川幹雄 委員 過日の選挙で、脱官僚、そして地域主権、それが実現できれば生活重視も実現できるという三つの大きな柱を持って立ち上がったみんなの党、それに呼応といいますか、まさに2番目の地域主権ということが、これから日本国の繁栄、そして地域の成長には不可欠であるということで、皆さんの多くの支持をいただきまして、ありがとうございます。  これまで県は、国の緊急経済対策が14兆円ということで、今日まで実行してまいりました。今までの県の対応についても、国の対応でやってきたというシステムでありまして、まさに官僚主導の中央集権での予算編成であります。今回の緊急経済対策におきましても、まさに内閣府では受け取っておりますが、執行は依然として各省庁に配分されて実施すると。それに対して、私は今回地域主権という立場ですが、知事も本会議において地域主権の決意を述べておられます。そういう中におきまして、今回の補正予算の実行に当たっては、国から与えられた、主に基金で積み上げたケースが多いわけであり、これに呼応した各部局の予算が縦割りにならざるを得ませんが、今回の補正予算を組んだ中におきまして、知事が「これは独自の栃木県の政策としてこうしたのだ」ということを含めて、ぜひこの予算についての総括をお願いしたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 私は、これまでも厳しい財政状況の中で、本県にとって真に必要な事業かどうかの視点から事業を選択し、活用可能な国の補助金等があれば、それを積極的に導入してまいったところであります。  また、本県の景気は、特に雇用・所得の面で厳しい状況が続いておりますことから、国の経済危機対策に呼応し、6月補正予算に引き続き、本定例会に補正予算を上程しております。これも、委員ご指摘のとおり、国の交付金等を活用し、県費負担の軽減を図りながら、雇用の安定や医療・福祉・子育て環境の充実など、切れ目のない経済対策に努めてまいるものであります。  新内閣におきましては、9月29日に平成22年度予算の編成方針を決定するとともに、今月2日には、各大臣が平成21年度補正予算の執行見直し点検結果を報告するなど、政権運営の本格的な動きが出てきております。  このため、国に対しまして、今後新たな制度や政策を具体化するに当たっては、国と地方の協議の場を設け、実際にその多くを実施することになる地方の意見を十分に取り入れるよう求めてまいります。私も、全国知事会などを通じ、本県の意見や考え方をしっかり伝えてまいる考えであります。  その上で、これからのとちぎづくりのために何が必要なのかという観点から、事業の選択と集中を進め、引き続き限られた財源の有効活用を図りながら、県民益の最大化につながる施策に積極的に取り組んでまいる考えであります。 ○渡辺渡 委員長 中川委員。 ◆中川幹雄 委員 知事の決意でございます。今、国も新政権になりまして、ご存じのとおり次の自分たちの政策を実現するために、非常に財源を確保したいという中で、見直しも含めて今検討をしているわけでありますが、仮に、今回の補正予算編成で求めている基金の執行を停止するとか、あるいは基金の期限についても、我々は経済対策の立場から見ると、短期的、一時的な給付金と、その場しのぎの給付金に見えて仕方がないのであります。  そういう中にあって、県は予算が確保できない、しかしながらどうしてもこの政策については、将来において栃木県の独自の政策であるということを認識した上で、もちろん財源の行政改革は徹底してやっておりますが、財源を確保するために、一歩踏み込んで地域主権という立場で、法定外税の導入まで踏み込んで、場合によっては新しい財源を確保するという決意についてはどうかお聞きしたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 新税の導入については、慎重な議論、そしてまた判断が必要だと考えております。元気な森づくり県民税という新たな負担を県民の皆様方にお願いし、今検証チームが検証しながら、使途の拡大などについても議論をしているところでありますので、今後経済状況がどのように変化をしていくのか、それらも十分勘案しながら、ご指摘の件については、あわせて検討していく必要があると思っています。 ○渡辺渡 委員長 中川委員。 ◆中川幹雄 委員 財源がなければできない話でありますが、過去の経済政策を見ても、国の経済政策においても、小渕内閣、それから宮沢内閣以外、もうかなりの財政の緊急対策をやっておりますが、依然として失われた10年であるとか、現在の経済の状況は低迷が続いている。要は、今までの、いわゆる国主導の財政政策だけでは、なかなか経済への反映が行われない。やはり、地域が自主的に財源を確保して、地域がみずからの独自の政策を打ち出す、いわゆる税源を移譲していただく、そして自主財源をもって、栃木県地域が、本当にきめ細かな政策を実行していくというシステムをとっていくことが、今後我々に残された、あるいは日本の繁栄、地域の成長に残された切り札だと思っておりますが、この件についてご意見をいただきたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 知事ですか。 ◆中川幹雄 委員 知事です。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 地方分権の大きな柱は、権限の移譲と税財源の拡充でありますので、当然これから国と地方の協議の場の中でも議論になると思いますが、権限と税財源の移譲を、我々は大幅拡充をしてもらえるよう意見を申し上げていきたいと思っております。  一括交付金という話がございますが、これは暫定措置としてはいっときはやむを得ないにしても、それは地方分権とは異質のものであると考えておりますので、あくまでも税財源の移譲を求めてまいりたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 中川委員。 ◆中川幹雄 委員 今の知事のご意見に対して、私も今もう一歩踏み込んで提言をさせていただきたいと思っております。  知事も、この5月に公表されました「とちぎ未来開拓プログラム(試案)」においては、国に国庫補助負担金の廃止・縮減を求めていくとともに、国税と地方税の配分の見直し、そして国から地方への税財源の移譲等を進めることにより、自治行政権、自治財政権、自治立法権を有する完全自治体としての地方政府の実現を目指すと入れていただきました。本会議においても、「地域主権の確立」という言葉で、地方分権を国に求めている。知事会においても頑張っておりますが、ここでどうでありましょうか、私の提言でありますが、いわゆる今まで国において使っている国庫補助負担金というものを、もう一度県においてしっかりと個別的に見直して、これはもう今の時代に合わなくなった国庫負担金であるから、これは廃止する、継続する、これは国にお戻しするという形で精査をして、それに見合った算定した総額を税源移譲していただくといったことを、もう一度プログラムと一緒に算定してみてはいかがかと思っているのですが、経営管理部長にお伺いします。 ○渡辺渡 委員長 鈴木経営管理部長。 ◎鈴木 経営管理部長 地方分権改革の推進のためには、国と地方の役割分担を明確にした上で、地方自治体がより一層自主的、自立的な行政運営を進めることができるよう、地方税財源の充実・強化が図られることが何よりも大切だと考えております。  また、国庫補助負担金につきましては、社会保障関係経費など、セーフティネットは確実に所要の額を確保してもらい、将来的補助金等につきましては、一般財源化を基本としつつ自由度を高めるなど、それぞれ性質に応じた対応がなされることが、ぜひ必要であると考えております。  県では、これまでも全国知事会等を通じまして、あるいは県独自の取り組みといたしまして、地方税財源の充実・強化や国庫補助負担金制度の改善を強く求めてきたところでもあります。また、現在実施しております事業につきましても、「とちぎ未来開拓プログラム(試案)」の策定に当たり、ゼロベースで見直し、対象2,338事業のうち1,419事業について、休廃止を含めまして、事業内容の見直しを行ったところでもあります。  今後、新たに国と地方の協議の場の設置が見込まれておりますことから、それらを活用しながら、地方税財源の充実・強化について、より積極的に国に働きかけてまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 中川委員。 ◆中川幹雄 委員 その提言をしていく中におきまして、求めていく中において、まず栃木県が国庫補助負担金の見直しをしっかりと精査して、金額を査定して出すということを、まず地方主権の立場から、実行することを、これはご提言したいと思っております。  これから提言ですが、小泉内閣の三位一体、あれは完全にやられっぱなしですね。その中において、過去に6県の知事でしたかね、すべてこの税財源の見直しを実際やってみた県があるのですよね。そして、具体的にあの時は、小泉内閣のときには、4兆円の国庫補助負担金の削減だったのですが、やってみたら、それ以上のむだな、いわゆる当時のベースで国庫負担金は20兆円ありましたか、8兆円ぐらいのむだというものを算定した経緯がございます。それは、一つ一つやはり県が査定して、この国庫補助負担金は廃止、そのかわり税源を移譲してもらうということをしっかりと査定をしたのであります。  国庫補助負担金というのは、まさに中央集権の権化でありまして、中央官庁はこれを放さないわけです。これを、まず地方主権の自治体を目指すということの第一番目は、栃木県からスタートしていただいて、せっかく「とちぎ未来開拓プログラム」もやっているわけでありますので、その辺の算定をしっかりとやっていただきたいと思っております。  そのためには、財源という税源が来ても、いわゆる経済が豊かになって、そのもとになる経済の基盤が繁栄しなければいけませんが、今までの統計で経済を見ますと、経済の繁栄というのはなかなか難しいと、データ的に思っているのであります。  麻生政権においても4回の対策で大体総事業費が75兆円ぐらいですか。それで、振り返ってみますと、バブル崩壊後の90年代、宮沢内閣以後ですね、120兆円の経済対策をやっているのです。しかしながらその後は、失われた10年の不況に突入しました。そして、98年度から2年連続で緊急経済対策、公共事業をやったのです。ちょうど地域振興券のときです、小渕内閣ですね。これが、極めて今の緊急経済対策と酷似しているわけです。その後は03年に日経平均株価はバブル後の最安値ということでありまして、この政策において、今の構造の中で基金をつくったという形での経済対策は、先ほど午前中のご質問に経済効果の話が出ましたが、私はなかなか厳しいことだと思っております。  その中において、税システムの改正、この提言を、ぜひ栃木県、地域主権の福田富一知事の信念のもとにやっていただくことをご提案しまして、私の質問を終了いたします。ありがとうございます。 ○渡辺渡 委員長 以上で中川幹雄委員の質疑は終了いたしました。  この際、休憩いたしたいと思います。  午後2時25分から再開をさせていただきます。  休憩いたします。                   午後2時15分休憩           ────────────────────                   午後2時25分再開 ○渡辺渡 委員長 委員会を再開いたします。  引き続き、総括質疑を行います。  発言通告者に対し、発言を許します。  星一男委員。 ◆星一男 委員 無所属県民クラブの星一男でございます。  質問を行う前に、現状についての私の所感を述べさせていただきたいと思います。  今、日本の政治は、民意の劇的なうねりの中で、本格的な政権交代という戦後政治の大きな転換点となる新たな歴史の第一歩を歩み始めました。  医療・年金・介護の問題や、市場原理主義が行き渡る中で生まれた格差社会のひずみ、地方の疲弊、年間3万人を超えるという自殺者、そして世界同時不況のあおりを受け、社会全体に漂う大きな閉塞感、未来に対する失望・不安、まさに自分たちの手で政治を変えてみようという人々の透徹した意思が示された結果ではないでしょうか。  私は、この状況をしっかりと確認し、この新しい政治の芽吹きに大いに期待をしながら、責任を持ってその政策を厳しく吟味し、本県の真の地方分権を推進していかなければならないと思います。  新政権には、一刻も早く、地域主権を進める具体的な道筋を示されるよう求めるところでございます。  無所属県民クラブの9月補正等に関する要望で、10の要望を野村代表のもとで執行部にいたしました。そして、今議会の菅谷県議の一般質問を参考にしながら、3点ほど質問してまいりたいと思います。  まず最初に、「とちぎ未来開拓プログラム」の策定について、お伺いいたします。  「とちぎ未来開拓プログラム」については、5月18日に試案が公表されて以来、1カ月間のパブリックコメント、各種団体からの要望書の提出、市町村長会議、県議会の県行財政改革検討会、そうしたさまざまな形で検討され現在に至っております。  先日、夕張市が、財政再建団体から財政健全化法による全国初の財政再生団体に移行すると、新聞の報道がありました。財政厳しい本県も、決して人ごとではありません。財政再生団体になりますと、国の管理下に置かれ、県単独事業ができなくなってしまいます。何と申しましても財政再生団体への転落は回避しなければなりません。しかし、同時に県民生活に直結する事業については、慎重に対応していかなければなりません。  知事は、これまで県民、市町村、関係機関の声に耳を傾けて県政運営に当たっており、そのスタンスについては私は評価しております。知事は、プログラム策定時期について、10月いっぱいを目標にして取り組んでいきたいと言っておりますが、プログラムの策定について、これまでと同様に周囲の意見をよく聞いてほしいと思います。  9月中旬には、こども医療費と妊産婦医療費の所得制限について、県市長会と県町村会が見直しを要望することを決め、知事は重く受けとめるとして、事実上所得制限をしない方針を固めたと報道がありました。既に、こども医療費について24市町が再検討すべき、妊産婦医療費の削減については21の市町が反対という、県の意向調査の結果が出ておりましたので、知事も熟慮の上、市や町の意向を重視したということであろうと思います。  そして、今月の2日に、県市長会と県町村会から県に要請書が提出されました。要請書には、さきに述べた2事業に3事業を加え、5事業を見直しは認められないとしたほか、保育や民生委員に関する4事業で十分な配慮を求めています。これらは、市町村が議論を重ねた結果であり、市町村の切実な声でありますので、重く受けとめるべきであろうと思います。  知事は、市町村重視を掲げ当選したわけでございますので、プログラム策定についてもかわりはないはずであります。そこでこうした市町村からの意見に対し、市町村重視を掲げる知事として、どう対応するのか、知事の考えをまずお伺いします。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 私は、知事就任以来、県民中心・市町村重視の県政を推進いたしますとともに、県民益の最大化につながる施策に積極的に取り組んでまいりました。  「とちぎ未来開拓プログラム(試案)」につきましては、本年5月公表以来、県民や各種団体の皆様を初め、県議会及び市町村におきまして、さまざまなご意見、ご検討をいただいております。  市町村との協議につきましては、3回の市町村長会議におきまして、私みずからご説明するとともに、市町村検討会議におきまして議論を重ねてもらい、今般ご意見を取りまとめられ、去る10月2日に要請としていただいたところであります。  この中では、特にこども医療費や妊産婦医療費への所得制限の導入、小中学校教職員の人間ドック費用の一部助成、交通教育指導員設置経費、農業農村整備事業費につきまして、再検討を求められているところであります。ほかにも、県政全般にわたっての徹底した行財政改革の断行や、個々の市町から出されたご意見への配慮について要請をいただいております。  お示しいただいた検討結果は、市町村長の方々が厳しい県の財政状況にご理解を示され、多くの事業の中から取りまとめていただいたものであり、重く受けとめております。  今後は、引き続き県議会のご意見をお聞きするとともに、市町村からのご意見はもちろん、これまでいただいた県民・団体の皆様からのご意見・ご要望も踏まえながら、歳入・歳出両面におきまして再精査を行うなど、総合的な検討を進めてまいります。
    ○渡辺渡 委員長 星委員。 ◆星一男 委員 集約された意見というものを、重く受けとめるという答弁でございましたが、再質問をさせていただきたいと思います。  さきの本会議におきまして、知事はプログラム策定時期については10月中と答弁をなされました。今後の見通しについては、国の施策等が決定され、本県への影響が明らかになった場合には、機動的かつ柔軟に対応する必要があると考えており、プログラムについても当初予算の編成にあわせ、適切に見直していくという答弁でありました。  現段階で、政権交代により国の動向がまだ見えませんので、策定後も見直しが必要になってくるのは当然であると思いますが、適時適切に対応していただきたいと思います。そこで策定後の見直しに当たっても、これまでどおり市町村が真に輝く市町村重視のスタイルは変わらないと思うわけでございますが、そうした市町村との協議を重ね、市町村の意見を十分聞くものと考えてよいのか、その辺について再度お聞きしたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 国の施策等が決定されまして、本県への影響が明らかになった場合には、県民益の最大化を図る観点から、これに機動的かつ柔軟に対応していく必要があると考えておりまして、プログラムにつきましても、当初予算の編成にあわせて適切に見直してまいりたいと思います。その際には、必要に応じて市町村とも十分意見交換を行ってまいりたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 星委員。 ◆星一男 委員 再々質問をさせていただきたいと思います。  5月18日の試案公表の際、知事は断腸の思い、例えば袋だたきに遭ってもやり抜くというお話をされました。また、試案の公表以来、いろいろな項目について市町村から見直しを求める声が出てきました。当面の財源不足を解消し、財政基盤を確立するため、市町村に痛みを共有することをお願いをするということは、それは市町村重視を掲げる知事としてはさぞつらいことだと私は思っております。  6月議会、あるいは今議会に、多くの方がこの問題について質問されました。多分、今の状況でいきますと、私が最後の質問になるのではないかと思うわけでございますが、そこでこのプログラム策定を前に、このプログラムにかける思い、決意、ひとつお聞かせ願いたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 「とちぎ未来開拓プログラム」の試案の公表以来、市町村長はもちろんですが、県民あるいは多くの団体の方々から多くの批判を受けてまいりました。一方で、「だれかがやらなければならないのだから、めげずに頑張れ」と、こういう励ましもいただいてきたのも事実でございます。  今回、多くの市町村長の理解のもとに、要請という形で取りまとめられて要請書をいただきましたが、その項目の中に、今後経済情勢が好転した場合には改めて協議の場を速やかに持って施策の見直しをすることと、こういったことについてもご指摘をいただいております。  そういう機会が早く来ることを願っておりますし、県民の皆様方にも我慢をしていただくことが多いわけですが、これからも引き続き県民の皆様の理解を求めながら、財政の健全化の取り組みをたゆまず不断の努力をし続けてまいりたいと考えておりますし、そして多くの県民の皆様方の行政ニーズに、その中でも何としてもこたえていく県政を市町村とともに行ってまいりたいと考えておりますので、よろしくご支援を賜りたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 星委員。 ◆星一男 委員 知事の決意が、よくわかりました。  また、今回のこの試案の内容について、多くの県民が個々の項目を見まして、なぜ、どうしてここを削るのかといった県民の素朴な声もあります。いろいろ大変な面もあるわけでございますが、特に市町村に対して痛みを求めるということ、そうするならば、一層選択と集中を図りながら、県民に納得いく説明を果たしていただきますことを強く要望しながら、次の質問に入らせていただきたいと思います。  次に、県西医療圏の地域医療再生計画について、お伺いいたします。  国の平成21年度補正予算において、都道府県が行う地域における医療課題の解決に向けた医療機能の強化、医師確保等の取り組みを支援するため、地域医療再生臨時特例交付金が交付されることになりました。本県でも、それに呼応し、基金積立金として今回の補正予算に125億円を計上しております。  当該交付金の交付に当たっては、都道府県において、二次医療圏単位での医療課題を解決するための各種施策を定める地域医療再生計画を作成することとされています。本県では、県南医療圏及び県西医療圏の二つの医療圏において、地域医療再生計画を策定することとしており、このうち私の住む県西医療圏におきましては、上限額25億円の計画として策定が予定されております。  県西医療圏は、面積は県全体の30.8%、人口は県全体の10%を占め、高齢化率は県内5医療圏で最も高くなっております。また、三次医療機関はなく、8病院が二次医療機関の機能を担っていながら、比較的小規模な病院が多くなっています。医師数は最も少ない一方で、無医地区数やへき地診療所は県内で最も多く、医療圏内での入院・外来患者の完結率は県内で最下位であります。特に、救急・周産期医療については、他医療圏への患者流出が多い状況にあります。  以上のように、県西医療圏にはさまざまな課題があり、地域医療の確保は急務であります。こうした医療課題を解決するために、交付金としてその対象の計画が採択されますよう、熟度の高い計画を策定しなければなりません。  そこで、県西医療圏の地域医療再生計画において、地域が抱える課題についてどのように対応していくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 北澤保健福祉部長。 ◎北澤 保健福祉部長 県西保健医療圏は、対象地域が広大な上、医療施設従事医師数が5医療圏中最低であるなど、さまざまな医療課題を抱えております。このため、地域医療再生計画にこれらの課題解決に向けた各種の対応策を盛り込む考えであります。  具体的には、二次救急やへき地医療等を担う中核病院の診療機能を強化するための整備を支援いたしますとともに、新たな医師確保対策や医療機関の機能分担・連携を促進し、入院患者や外来患者の医療圏内での完結率の向上を図ってまいりたいと考えております。  また、今後高齢者人口のさらなる増加が予想されますことから、介護・福祉施設等との連携体制の構築にも取り組んでまいりたいと考えております。  引き続き、関係者等のご理解を得ながら、地域の医療課題の解決を目指し、熟度の高い計画となりますよう、全力で取り組んでまいります。 ○渡辺渡 委員長 星委員。 ◆星一男 委員 部長の前向きな答弁をいただいたわけでございますが、先ほども申し上げましたとおり、県西医療圏は医師数が最も少ない医療圏であり、三次医療機関がない唯一の医療圏であります。また、単に面積が広いだけではありません。谷沿いに道路が走っているような状況にあるわけでございまして、医療機関等を利用する時間が長くかかってしまう状況にあります。  地域医療再生計画の中では、さまざまな事業に取り組むことになっておりますが、以上のような状況を考えますと、県西医療圏において救急医療体制の整備ということが特に重要な課題であります。救急医療体制の整備については、本県では来年1月からドクターヘリの運航開始を予定していますが、私はこのドクターヘリに大いに期待をいたしているところでございます。  県西医療圏の救急医療を考えまして、地元の消防の方からあるデータをいただきました。これによりますと、今市、日光、藤原の3消防署管内の救急車の搬送事例でございますが、ドクターヘリの搬送先となる救命救急センターに1時間以上かかって搬送された方が、昨年1年間に34人もいたということでございます。もちろん、個々の症状や程度はさまざまであり、この数字だけでもって断言することはできませんが、地理的要因などを考えますと、県西医療圏にとってドクターヘリの運航の効果は極めて大きいと予想されますが、この点についてどのような認識をしているのか、改めて保健福祉部長にお伺いします。 ○渡辺渡 委員長 北澤保健福祉部長。 ◎北澤 保健福祉部長 ご指摘のとおり、県西保健医療圏は山間地域も多く、地域によっては、陸路による搬送では最寄りの救命救急センターまで1時間以上要するケースも承知しております。事故等によります外傷症例におきましては、1時間以内に治療を行えるか否かが、救命率や後遺症の有無等を大きく左右すると言われております。  ドクターヘリは、巡航速度を時速約200キロで航行いたしまして、約20分でほぼ県全域をカバーできますことから、ドクターヘリによる治療開始までの時間短縮の効果は極めて大きいものと考えております。 ○渡辺渡 委員長 星委員。 ◆星一男 委員 ここで、部長に要望させていただきたいと思います。  県西医療圏の地域的特性について、既に申し上げたとおりでありますが、国への計画提出期限が今月の16日と迫っているわけでございますが、どうかひとつ地域医療の確保のため、ぜひとも熟度の高い計画を策定していただきますことを強く要望させていただきます。  そしてまた、ただいまドクターヘリについての答弁をなさっていただきました。私は、日ごろより、現状の都市部と中山間地域の医療の格差の問題、この問題についてぜひとも解消しなければならないと思うわけでございまして、県民がどこに住んでいても安全・安心を求めるということは当然なことでございまして、命の重さを考えれば、どこに住んでおっても同じだろうと思うわけでございますので、どうか医療格差の是正に一層の努力をいただきたいと思います。  さらに、将来的には、県西医療圏にも救命救急センターがあればと思いますが、これは長期的な課題として、今後検討していただくよう要望いたします。  最後に、観光産業の振興について、お伺いいたします。  観光産業の振興については、前にも述べたように、無所属県民クラブの9月補正等に関する要望の中の項目の一つでありまして、私にとりましても重要な課題であると認識しています。  観光産業は、宿泊業、小売業、運輸業のみならず他産業への波及効果が見込めるなど、すそ野の広い産業であり、本県への観光客がふえることによって地域経済の活性化が期待できます。  先日、新潟県上越市の観光課を訪れる機会がありました。ご存じのとおり、日曜日8時より放映されております、NHKの戦国時代の名将・直江兼続を主人公とした大河ドラマ「天地人」であります。職員の方のお話を受けますと、番組が始まってから観光客が大幅にふえたそうであり、映像による宣伝効果はとても大きいことを実感したと申しておりました。私も、観光客の誘客ツールとして、雑誌やパンフレットなど紙ベースだけではなく、映像を活用することの必要性を強く感じたところでございます。  本県の観光産業の振興に当たっては、アピール効果が高く、観光客の誘客にもつながる映画やドラマ等の映像作品を活用したPRに、積極的に取り組む必要があると考えております。  本県は、有名な史跡や偉人にまつわる地域など、観光資源としてだけでなく、ロケ地として魅力的な資源が数多くあり、これらを映像作品の中で取り上げてもらうことにより観光資源として魅力も向上し、誘客にもつながることと思います。  また、これによって住民がふるさとのよさを再発見し、郷土愛が醸成されることや、自前のプロモーション費用をかけずに地域のPR効果が得られること、さらにはロケ地による経済効果も期待できるなど、地域の活性化につながると考えております。  現在県では、栃木県フィルムコミッションが多様な映像作品の誘致事業に取り組んでおりますが、今後この事業の重要性がますます高まってくると思います。  そこで、県は観光産業の振興のために、観光誘客に向け、誘致事業にどのように取り組んでいくのか、産業労働観光部長にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 野口産業労働観光部長。 ◎野口 産業労働観光部長 フィルムコミッションも、ことしで4年目を迎えまして、順調に実績を伸ばしております。平成20年度の直接的な経済効果は1億4,600万円余ということで、対前年度は微増にとどまっておりますが、撮影件数は107件で、32%の増ということで、前年を大幅に上回りまして、内容も映画、テレビ、CMと幅広い作品を誘致しております。  県といたしましては、よりきめ細かなサービス提供によりまして、まず制作会社の信頼を高める。それによりまして、話題性の高い作品を積極的に誘致いたしまして、地域の活性化につなげてまいりたいと考えております。  また、映画の撮影現場は新たな観光スポットになるなど、ロケ地を実際に訪れたいというニーズが高まっておりますので、昨年ロケ地情報に周辺の観光資源を組み入れましたロケ地マップを作成し、観光案内所などに配付したところ好評を博しまして、増刷をしたところでございます。  今後は、市町村や地域フィルムコミッションとさらに連携を図りまして、本県の魅力のPRのため、ロケ地をめぐる新たな観光ルートの作成に取り組みまして、誘客促進につなげていきたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 星委員。 ◆星一男 委員 ただいま、部長より前年を大きく上回ったという、映像の重要な効果というものを説明していただきましたが、誘客の視点におきまして、私の会派におきまして、今年3月でありますが、韓国の慶州を訪問してまいりました。慶州は、仏国寺という世界遺産に登録されたお寺があるわけでございますが、そしてその後、韓国の慶州の観光協会の幹部の人たちとの交流、懇談会を設けることができました。その中で、我々の会派の野村代表が、通訳を交えながら、栃木県の観光振興に取り組んでいる姿というものを強くアピールをしていただきました。そして、本県の中にも日光という中に、文化遺産に登録された二社一寺があるというようなお話もしました。そうしたところ、間もなく、11月の予定でございますが、日光市と慶州市が友好関係を結ぶという新聞記事を見まして、改めて宣伝の効果と申しましょうか、みずからが出向いてセールスする効果というものを、私は無所属県民クラブの方より教えていただきました。  そうした意味におきまして、どうかひとつ福田知事、どんどんこの栃木県の姿を全世界にアピールする価値があろうと思います。いろいろな人たちが、いろいろな形におきまして、無名県だというお話をされておりますが、栃木県こそすばらしい有名県であるという、そういう資源があるということを、どうかひとつPRしていただきたいと思います。以上で質問を終わります。 ○渡辺渡 委員長 以上で星一男委員の質疑は終了いたしました。  次の発言通告者に対し、発言を許します。  斉藤具秀委員。  なお、この際申し上げます。  斉藤具秀委員の質疑時間につきましては、他の質問者の残時間3分が加算をされ33分となりますので、ご了承を願います。 ◆斉藤具秀 委員 それでは、私の質問が今回最後でございますので、よろしくお願いいたします。  アメリカのオバマ大統領は、オバマ・グリーン・ニューディール政策を熱心に提唱し、環境産業の振興で国の経済を立ち直らせることを基本として、選挙当選前と当選後との二度にわたり風車工場で演説を行って、国民の賛同を得ました。  我が国のエネルギーの自給率は、何と4%でございます。1日の石油消費量にいたしましても、石油船が3隻必要であり、エネルギーのほとんどを外国に頼っているという状況であります。  そして、我が国の経済状況は、昨年来続く世界同時不況の影響で、県内企業は依然として極めて厳しい経営環境にあります。雇用状況にいたしましても、栃木労働局発表の8月分の有効求人倍率を見ますと、全国で0.42倍、栃木県では0.35倍となっております。前月と比較してもほぼ横ばいで、依然として厳しい状況が続いております。  このような状況だからこそ、限りある県財政を効果的に投入し、活力ある元気な栃木県にしていかなければならないと考えております。  我が自民党議員会では、今回の補正予算については、最重要課題として景気対策に取り組むよう要望したところでありますが、一時的に元気を取り戻すだけではなく、その後も元気を維持していくための強い体力をつけなければならないと考えておりますことから、地域経済の活性化に着眼して質問を行ってまいります。  まず、成長産業分野の振興についてでございます。  昨年9月のリーマン・ショックから1年が経過し、我が国の4月から6月期のGDPも2.3%プラスとなるほど、百年に一度と言われた経済危機も底を打ったとの見方もあります。しかしながら、この危機で大きな打撃を受けた本県産業は依然として厳しい状況下にあります。  このような中、県は国の経済危機対策に呼応し、経済対策に取り組もうとしていますが、本県産業が活力を取り戻すためには、本定例会に上程した経済対策予算を積極的に実施し、経済を下支えするとともに、成長産業分野に重点を置いた振興策を展開し、本県産業に競争力と成長力を確保していかなければならないと考えております。  また、雇用危機が叫ばれている昨今、安定的な雇用の創出を図るためにも、このような政策が大変重要であると考えております。  私は、このような意味からも、現在県が取り組んでいる産業振興プロジェクトの重点振興分野への積極的な支援が必要であるとの視点から、特に昨年度追加された環境産業、光産業、医療機器産業の3分野について質問をさせていただきます。  まず、環境産業でございますが、環境産業は、重点振興分野の中でも今後のリーディング産業として大いに期待できるものであると考えております。  この問題につきましては、同僚の金子委員より先ほど質疑がなされましたので、私は視点を変えて、産業労働観光部長にお尋ねします。  今回の補正予算についても、とちぎグリーン・ニューディール事業費や新エネルギー導入促進費等の環境関連事業も数多く盛り込まれており、今後相当の需要が見込まれる産業でもあります。加えて、本年11月に策定する「とちぎ環境立県戦略」でも、環境産業の振興は重要なテーマになるものと考えております。しかしながら、環境産業といっても、従来からの公害防止装置の開発・製造を初め、風力発電、助成制度の拡充により注目を集めている太陽光発電といった新エネルギー、さらには資源の再生・再利用など、製造業からサービス業まで、さまざまな分野に及んでおります。  このため、私は、環境産業の効果的な振興を図っていくためには、幅広い分野の中から的を絞った重点的な取り組みを行うべきではないかと考えております。  そこで、県では、環境産業の振興について、今後どのように取り組むつもりなのか、産業労働観光部長にお尋ねします。 ○渡辺渡 委員長 野口産業労働観光部長。 ◎野口 産業労働観光部長 本県産業の持続的発展を図るためには、成長分野と目される産業の振興が不可欠であり、中でも今議員からご指摘がありましたように、環境産業は高い成長が見込まれる、また現在注目を集めている分野でございます。  議員のお話にありましたとおり、環境産業は非常に幅広い産業でございまして、この効果的な振興を図っていくためには、中心となる製造業の中から、環境ビジネスにおける市場の規模、あるいは成長性、あるいは本県の産業集積の状況などを勘案して、重点的に推進していく必要があると考えております。  現在、県ではこうした観点から検討を進めており、風力発電、あるいは太陽光発電などの新エネルギーにつきましては、大変有望な分野であると考えております。  また、県内には、水処理技術や有害物質を使用しないメッキなど、環境関連の独自のすぐれた技術を持つ企業が存在しております。今後は、これらの企業の特性などにも着目するとともに、大学や企業などのご意見も伺いながら検討を進め、年度内には産学官から構成されるネットワーク組織を立ち上げてまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 斉藤委員。 ◆斉藤具秀 委員 次に、光産業の振興についてお尋ねいたします。  光産業振興協議会の会長である宇都宮大学には、光技術に関して高い研究開発力を有するオプティクス教育研究センターがあり、協議会の中核を担うものと考えております。  私は、県の光産業振興プロジェクトを成功させるためには、宇都宮大学との連携をどのように進めていくのかが非常に重要であると考えております。  そこで、宇都宮大学とどのように連携し、光産業の振興を図っていくのか、県の考え方を産業労働観光部長にお尋ねします。 ○渡辺渡 委員長 野口産業労働観光部長。 ◎野口 産業労働観光部長 本県光産業の振興を図る上で、国内でも有数の教育研究機関であります宇都宮大学オプティクス教育研究センターを光に関する産学官連携の研究開発拠点として位置づけまして、シーズの発掘から実用化までの研究開発を切れ目なく実施いたしまして、その成果を活用した独自の製品づくりなどを推進していくことが重要であると考えております。  このため、国が実施いたします、国内外の卓越した研究者を宇都宮大学に招聘する事業や、産学官による研究開発施設を整備する事業につきまして、宇都宮大学などとともに提案したところであります。国の予算の動向が不透明な状況でございますが、情報収集に努め、採択に向けて努力をしてまいります。  また、とちぎ光産業振興協議会におきましては、宇都宮大学の技術シーズを踏まえまして、計測と加工、機能材料という三つの技術分科会を設置したところでございます。この活動を通じて、企業の技術課題と研究シーズのマッチング、あるいは具体的な研究開発プロジェクトへの芽出しに向けた取り組みなどを支援してまいりたいと考えております。  今後とも、協議会の中核となります宇都宮大学と密接に連携を図りながら、光産業の振興を図ってまいります。 ○渡辺渡 委員長 斉藤委員。 ◆斉藤具秀 委員 ただいまの部長のご答弁ですと、宇都宮大学の光産業に対する位置づけを高め、これから密接に連携を図っていくというご答弁で、重要性もよく理解をさせていただきましたが、先日の新聞報道によりますと、宇都宮大学に設置予定の、光産業の振興への貢献が大分期待されております光産業の拠点施設は、今回政権交代の影響で白紙になることが危惧されているような新聞の記事が出ていたわけでございます。  私は、この拠点施設は、本県の光産業振興にとって大変重要な施設であり、先ほどの部長の答弁でもそのことが大分強く感じられますが、大学の技術シーズを中小企業に移転させるためにも不可欠な施設だと思います。このような拠点施設の整備は、今後積極的に進めていっていただきたいと思いますし、政権交代ということで、ただそのことによって施設整備ができなくなるということになりますと、本県にとっても極めて痛手になると関係者みんな等しくそう思っていると思います。  県としても、今後も整備推進に向けて積極的に頑張ってもらいたいと思いますので、もう一度産業労働観光部長のご見解をお尋ねします。 ○渡辺渡 委員長 野口産業労働観光部長。 ◎野口 産業労働観光部長 産学官共同研究拠点整備事業につきましては、国の経済危機対策として実施されたものでございまして、光技術の拠点整備ということで16億円の建物と機器整備を内容として申請したところでございます。  この事業につきましては、本県の光産業の振興を図る上で大変重要であり、私どもも宇都宮大学ともども大いに期待していたところでございますが、お話のとおり国の動向が不透明でありますので、引き続き情報収集に努めますとともに、事業の実施に向けまして、宇都宮大学などとも連携しながら努力をしてまいりたいと考えております。
    ○渡辺渡 委員長 斉藤委員。 ◆斉藤具秀 委員 知事にお尋ねしたいのですが、ただいま建物と施設整備で16億円という巨額の資金になるとの部長からのお話でございますが、知事の決意のほどをひとつお伺いさせていただきたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 政策決定は、国において行われますので、我々としては重要な光産業の拠点施設であるというとらえ方は変えませんが、この案件については何とか補正予算の中で認められるよう、努力をしてまいりたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 斉藤委員。 ◆斉藤具秀 委員 栃木県の将来がかかってくるわけでございますので、知事初め、産業労働観光部長にもそのつもりで頑張っていただきたいと、心からお願いいたします。これは、私だけではなく、栃木県200万県民の願望ですから、よろしくお願いいたします。  次に、医療機器産業についてお尋ねします。  本県の医療機器産業は、診断機器の東芝メディカルシステムズ、手術用縫合針のマニーや、歯科医療用機器のナカニシといった世界トップクラスの企業が立地し、最終製品生産額で全国1位となっております。加えて、県内には自治医科大学を初め、獨協医科大学、国際医療福祉大学の三つの医療系大学があり、私はこうした本県の環境条件を有効に活用した取り組みを展開していくことが、本県の医療機器産業の振興につながっていくものと考えております。  医療機器産業は、3月に振興協議会を設置し、新規指定3分野の中では取り組みが進んでおり、先月には自治医科大学での技術情報交流会について報道がありましたが、今後の事業展開について、産業労働観光部長にお尋ねします。 ○渡辺渡 委員長 野口産業労働観光部長。 ◎野口 産業労働観光部長 医療機器産業の振興につきましては、医療系大学と大手医療機器メーカーやすぐれた技術を有します会員企業との医工連携による新製品の開発等を推進していくことが重要であります。  そこで、まず、今お話にありました自治医科大学において実施いたしました技術情報交流会、これは企業の製品提示と大学側のニーズ紹介を内容とするものでございますが、これを今後は獨協医科大学、国際医療福祉大学においても実施してまいりたいと考えております。  また、本県と同様に医療機器産業の振興を図っております福島県と広域的に連携していくことが効果的でございますので、11月に同県で開催されます医療機器関係の展示会に協議会として出展いたしまして、本県医療機器産業のPRと販路開拓を行うこととしております。会期中は、栃木・福島地域を対象とした国の広域連携事業の一環といたしまして、大手医療機器メーカーと協議会が推薦いたします会員企業との間で、ビジネスマッチングが行われることとなっております。  今後とも、このような取り組みを着実に展開することにより、本県医療機器産業の振興を図ってまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 斉藤委員。 ◆斉藤具秀 委員 次に、中小企業の振興について、お尋ねします。  世界同時不況は、我が国の経済においても輸出や生産の大幅な減少を招き、未曾有の景気悪化をもたらしたところでございます。県内には、輸出関連企業も多いことから、今回の不況の影響は非常に大きく、経営者の多くはいまだに悲鳴を上げている状況にあります。とりわけ、小規模企業にとっては、当面の止血策として資金繰りの確保は不可欠であります。  私の地元足利市も、小規模事業者の経営改善資金、いわゆるマル経資金の申込状況を調査いたしましたところ、平成19年10月から平成20年9月までの1年間の申込件数は122件、4億9,685万円だったのが、平成20年10月から平成21年9月までの1年間では、申込件数164件、8億4,840万円と、件数にして何と143%、金額にしては171%と大幅のアップとなっているわけでございます。  毎日の支払いに困窮した果ての借り入れ申し込みということで、ほとんどが運転資金でございます。これが、小規模事業者の経営者としての実態の一端でもあるわけでございます。県においても、多くの小規模事業者が利用している緊急環境変化対策資金枠を大幅に拡大する補正予算案を、本定例会に上程しておりますが、私はこのような資金繰り支援などについても、経営者の声を十二分に聞いたうえで、中小企業のニーズに合った効果的なる支援を行っていくことが重要であると考えております。  そこで、地域中小企業のニーズの把握について伺うとともに、補正予算に盛り込まれた小規模事業者に対する資金繰り支援について、質問をしてまいります。  まず、地域中小企業のニーズの把握に関して、企業サポーターによる支援についてお尋ねします。  地域経済の活性化を図るためには、地域の中小企業が事業展開しやすい環境を整えるとともに、個々の企業ニーズを的確にとらえた施策を提供することが重要でございます。県においても、昨年度から本庁の産業労働観光部職員1人が、中小企業1社の担当となる「企業サポーター制」を開始し、公募により決定した141社に対し、企業訪問等を通して、県の支援施策の情報提供や資金調達、販路拡大、人材の確保等の相談等に対応したと聞いております。  サポーター制導入から1年が経過したわけでございますが、成果が出た一方で、企業からは不満の声もあるとの新聞報道もありましたが、昨年の状況も踏まえた上で、今後どのように取り組んでいくのか、産業労働観光部長にお尋ねします。 ○渡辺渡 委員長 野口産業労働観光部長。 ◎野口 産業労働観光部長 企業サポーター制につきましては、昨年の秋からの景気後退に際しまして、県の資金繰り対策、あるいは国の雇用調整助成金などの速やかな情報提供に努めた結果、サポート企業から円滑な資金調達や助成金の利用につながったとの声が寄せられております。また、食品メーカーからの相談に対しまして、大手コンビニの系列企業を紹介した結果、商品の販路開拓に結びついた例などがありまして、一定の成果は上がっているものと考えております。  しかしながら、1年経過後のアンケート調査では、サポートの継続希望は8割を超えたものの、訪問・連絡の頻度や情報提供の項目につきまして、不満足・やや不満足との回答をした企業が1割強ございました。このため、ご不満の回答を寄せられた企業に直接その内容を確認いたしまして、よりコミュニケーションの密度を高めるとともに、産業支援機関と連携した具体的なサポートの提供に努めることといたしました。  今後とも、サポート企業の課題が一つでも解決できますよう、それぞれの企業に応じた適切な支援を図ってまいります。 ○渡辺渡 委員長 斉藤委員。 ◆斉藤具秀 委員 ただいまの企業サポーター支援について、不満足という回答が1割強あるということでございますが、ぜひ少しでも不満足という回答はないように努力していただくようお願いいたします。  続きまして、小規模事業者に対する資金繰り支援について、お尋ねします。  今回の不況の影響は、本県のものづくりを支える中小企業、とりわけ輸出関連の下請小規模事業者で甚大でございます。このような小規模事業者は、売り上げが減少する中、資金繰りが日々厳しくなっており、これまでは何とかやりくりしていた月々の返済についても滞るような話も聞いております。  そのため、県では、制度融資の総融資枠を1,356億円とする補正予算案を、本定例会に上程しているところでございます。  私は、地域の小規模事業者が、このような厳しい状況から脱し、一日も早く以前のような活力を取り戻すことを願ってやまないところでございますが、そのためには、県がこれまで以上に積極的なる金融支援を行うことが必要であると考えております。  そこで、県では、これらの地域の小規模事業者に対する資金繰り支援をどのように行っていくのか、産業労働観光部長にお尋ねします。 ○渡辺渡 委員長 野口産業労働観光部長。 ◎野口 産業労働観光部長 中小企業、とりわけ厳しい経営環境にあります小規模事業者につきましては、今後年末の資金需要期を迎えますことから、より一層の資金繰り支援が必要であると認識しております。  そのため、県制度融資につきまして融資枠の拡大を図りまして、今後の資金需要に対応するとともに、月々の返済負担の軽減と新たな事業資金の確保にもつながりますよう、借りかえの円滑化を図ることとしたところであります。  そこで、再生支援資金に限定しております、民間金融機関から県制度融資への借りかえを拡大することといたしまして、主に小規模事業所向けに、商工団体と保証協会が提携して実施しております「商工いきいき特別保証」を対象とした借りかえ資金を創設したいと考えております。  さらに、経営状況が悪化している中小企業の資金繰り改善のために、金融機関などの承認を得た簡易な経営改善計画を策定することにより、借りかえが可能となる「小規模企業パワーアップ資金」の融資限度額を引き上げたいと考えております。  今後とも、商工団体等と連携し、小規模事業者のニーズを把握しながら、資金繰りの円滑化に努めてまいります。 ○渡辺渡 委員長 斉藤委員。 ◆斉藤具秀 委員 ただいまの産業労働観光部長のご答弁ですと、大分明るい答えばかりでございますが、実際私が現場でいろいろ中小零細企業の方から依頼されるのは、返済金額の軽減などで借りかえなどを行えば、次回の借り入れはほとんど断られるケースが多く、特に、保証協会などは、もう保証をしていただけないというのが実態です。  部長の話では、中小企業者にとってはもうバラ色の融資になってくるわけですが、どういうところに、こういったことを伝えているのか、産業労働観光部長にお尋ねします。 ○渡辺渡 委員長 野口産業労働観光部長。 ◎野口 産業労働観光部長 制度融資につきましては、制度改正をするときには、当然県内の金融機関、それから信用保証協会等と、制度内容等について十分相談をして、このような制度改正を行っております。  今回につきましても、制度改正の趣旨について、金融機関に対して説明会を実施いたしますし、保証協会の了解も十分に得ているところでございます。今回の場合はさらに商工団体との連携もかかってまいりますので、商工団体等についても、この事業の趣旨等について徹底してまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 斉藤委員。 ◆斉藤具秀 委員 部長が、そう約束していただいているのだから、意を強くしておりますので、よろしくお願いします。  それでは、今回の総括といたしまして、今回私は、特に産業分野に的を絞った質問をしてまいりました。アメリカは、車産業から環境産業へと転換を進めており、車に対しましても、オバマ大統領は地球温暖化・環境汚染対策から電気自動車へと取り組みを推進しているようでございます。また、太陽光は無限であり、水力とあわせての環境産業が進展すればと考えるのは私一人ではないと思っております。  我が国には、河川が約3万本あると言われております。この河川の水力の活用、その水力発電等がさまざまな分野に活用できるようになればと思っております。  茨城県の波崎には、直径80メートルの風車が7基設置されております。栃木県も、水が良質ということで進出をしている企業も数多くあります。知事も地球温暖化、環境産業等々に配慮されており、我が自民党議員会においても積極的にこの問題に取り組んでおることは周知のとおりでございます。  これは、群馬県の例でございますが、前橋の利根川に橋がかかっており、そこで強風により女子高生が川へ転落するという事故がありました。その後、その橋に強風が吹くと音が鳴る装置や太陽光を利用して夜になると灯りがともる装置を設置するなど、この自然の恵みにより、まちの安心・安全を実現し、有名になっているという話も聞いております。  我々も研究いたしますが、やはり、これからは自然の恵みを利用して、暮らしやすい安心・安全なまちづくりを、県全体でも、県の職員全体でも考えていただきたいと思います。  栃木県が、本当の元気を取り戻した先には、県民だれもが豊かさを実感し、安全で安心な生活をしている姿があります。そのような栃木県を実現するためにも、経済対策に取り組むことはもちろんでございますが、事業の選択と集中、これからは何といっても環境です。各種施策を着実に、そして積極的に推進するよう強く要望させていただきまして、私の質問のすべてを終了させていただきます。 ○渡辺渡 委員長 以上で斉藤具秀委員の質疑は終了し、付託議案等に対する総括質疑はすべて終了をいたしました。ご苦労さまでございました。  この際、申し上げます。  山田委員から、先ほどの質疑における発言中、不適切と認められる部分の取り消しの申し出がありましたので、委員長において精査の上、会議録を調整させていただきますので、ご了承を願います。  次に、部局別質疑について申し上げます。  部局別質疑は、所管常任委員会の調査をもってこれにかえることとしております。  つきましては、お手元に配付のとおり、私から議長を通じて所管常任委員会に調査依頼をいたしますので、ご了承を願います。  以上をもって、本日の日程はすべて終了をいたしました。  次回の委員会でありますが、10月9日金曜日午後2時から付託議案の採決を行いますので、よろしくお願いをいたします。  これをもちまして、本日の委員会を散会をいたします。                   午後3時28分散会...